表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
暁の帝国 ~第二次世界大戦編~  作者: 川嵜 怜太
対立!日本vs独第三帝国
32/55

96発の弾丸

戦艦ラインハントは進路をアデン湾へ変えると

戦場を去ろうとした。

その撤退を援護するかのようにザイドリッツは

煙幕を焚いた。


『艦首兵器回天、攻撃開始!!』

黒姫艦首から途轍もない煙が上がる。

そして、重厚感のある物が飛び出したかと思えば

物凄い早さでラインハントを食い破りに

向かった。


弾頭部がラインハントの右舷後部の機関部に突き刺さる。

突き刺さった回天は超高熱を放つ。

ラインハントの第一装甲、機関部の電気系統を焼き尽くした。


『機関出力低下!!』

「ええい、エンジンを焼き尽くしてもいい!!」

『し、しかし使用可能ボイラー16基中5基。

馬力は6万4000までが限界です!!」』

「……………ッッ!!」

このままでは作戦位置に着く前に撃沈される、

応戦しようにも三番砲塔は使用不能。

黒姫はラインハントの一、二番砲塔の射撃不可能な位置に

回っていた。

現在ラインハントは13ノット、黒姫は命中精度と射程距離を

少々犠牲にするが徹底破壊を目指すため大重量弾を

装填していた。

46㎝砲弾並の破壊力を持った大重量弾は通常弾より

縦に長くその分火薬が増加されていた。


「ええい、このクソ戦艦め!!!命中精度も装填もゴミだ!!!」

遂にロルフは声を大にして艦をけなした。

これは、船員の士気を一気に下げた。


「流石です、東郷司令長官。

敵は回避すら出来ないぐらい損傷しています。」

東郷は顔色を変えない。

「十字雷撃を行って撃沈するまでが勝負だ。」

しかし、東郷はの脳裏には何か言いしれぬ影が落ちていた。

そしてそれは無情にも的中する。

現在正午一時間前、対空電探に凄まじい数の機影が写った。


“二度あることは三度ある”

航空機の前では如何に高性能な戦艦でも通用しない。

戦艦大和が最も良い例である。

ヒトラーは知っていた、航空機の有用性を。

独裁者であるからこそ、簡単に航空機第一主義を通すことが

出来たのである。


『敵航空機多数接近!!位置東北東!!機種はMe300-a、艦載機型。

時速740㎞で接近中!!』

Me300-aは機首に二基のジェットエンジンを搭載し、

1基につき25000馬力、計50000馬力という超大出力

エンジンである。

最大速度は時速860キロ、しかし運動性能と武装において

零龍に劣っていた。

しかし、現在黒姫を守る戦闘機など存在しない。

航空機の傘を持たねば戦艦はただの標的でしかない。

東郷は歯軋りする。

誤算だった、ヒトラーがまさか機動艦隊を設立していたとは。


今まさに迫り来る、96機の攻撃機になすすべもなく

攻撃される黒姫の姿が東郷の脳裏に浮かんだ。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ