雷鳴鳴り止まぬモハーベ砂漠
1943年12月15日、日本帝国陸軍はアメリカモハーベ砂漠爆撃を停止し
大規模作戦を開始することとなった。
モハーベ砂漠第一防衛線の二人の米軍兵が退屈そうに見張りをしていた。
「最近ジャップは爆撃しかしてこないそうだな。」
「だがまぁ、情報部の連中によるとざっと100万はいるそうだぞ。」
双眼鏡を片手に笑い話にする二人の米軍兵。
しかし、それも束の間20両程のシャーマンが来ているのが見えた。
「こんな時にシャーマン?何故だ、別動隊か何かか?」
「いや、、ち...違う...日本軍に追われているんだ!!」
シャーマンの後ろに見えたのはTYPE5 ThiRiの大群であった。
「シャーマンの収容を急がせてくれ!!チリに追われている!!」
門が開きシャーマン20両が収容されるとチリは一目散に戦線を去った。
「何だ、奴らビビッて逃げちまったぞ。」
「あったりまえだ、この防衛陣地は鉄壁...」
辺り一帯に響く雷鳴と悲鳴が混ざった音が乱雑に聞こえる。
見張り所から内部への連絡は一切取れない。
言葉を失い凍り付く二人。
それと同時に砂漠の稜線から巨砲が現れる。
「や...奴だ!O-hoだ!!
か、固まってないで早くここから逃げるんだ!」
相棒を無理やりに引っ張って指揮所から出ようとする。
キャタピラと重厚なエンジン音が迫ってくるのを聞き二人は走った。
背後から熱風と暴風が吹きつける。
さっきまで監視をしていた見張り所は炎に包まれ逃避行は更に速くなった。
内部避難所として安全なハズの指揮所は何時の間にか破壊されつくされていた。
それよりも、二人が言葉を失ったのは破壊を尽くした物であった。
「おい、なんでシャーマンが暴れてんだ?!」
それは先ほど自分たちが招き入れた戦車であった。
平常時のシャーマンよりも速度は大幅に上昇していたが、外装は全く変化はなく
気付かないのも道理であった。
コンクリートを破砕する音とエンジン音が迫る。
そして言葉を失い立ち尽くす二人の真横に黒い影が落ちる。
「Or surrender to?(投降するか?)」
二人は両手をゆっくりと上げた。
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