戦場を駆ける!b ヒイラギちゃん行って来る!!
「保証するカピ! しかしこっちもヴェルディグリが死んじゃったカピ~」
「何っ!」
「何たる事か……」
王様はしばし心から冥福を祈ってくれたぞ。
ワーワー
「ユリナス祈ってるとこ悪いが、そろそろここも危ないぜ、早く反撃してくれや!」
「そうだよ早くしてくれ!」
「ユリナス頼みますわ……」
戦線が悪化したせいでエーリュクもダルアガートも、アウレリアーナ様も一か所にギュッと集まっちゃったぞ! でもこれはこれで無事が確認出来るからいいや。
「よし、ユリナス思う存分暴れるのだっ我の返した剣大切にするのだぞ」
「はい分かりましたフュ兄!」
「行きましょう!!」
ガシッ
俺は走り出そうとするヒイラギちゃんの腕を掴んだ。ヴェルディグリがいきなり戦死した事で正直言って怖くなって来ていた。
「いや、ヒイラギちゃんは黄金ゴーレムで王様を守ってくれ。君の仇は必ず取り、兄は生かす。アジサイの事は君に任せるよ。そのまま俺は黄金竜の元へ、師匠の元まで駆けて行くよ!」
みるみるヒイラギちゃんの顔が泣きそうになる。
「時間が無いので素直に従います。けど……」
ぎゅっ
おとなしいヒイラギからは珍しく大胆に俺に抱き着いて来る。俺も抱き返した。
ぎゅっっ
「ヒイラギちゃん」
「絶対に死なないで下さい、兄の事はもうどうでも良いです」
「分かった、絶対死なないし、リリー師匠と勝って戻って来る!」
「よぉーーしカピ様いくぜっ!」
「おうよカピ、氷の兵士共最後に輝きを見せるカピーッ!」
「ファーーッ」
「コォーーッ」
俺が走り出しカピ様が飛ぶと、まだ解けずに残った数十体の氷の兵士達もついて来た。
「魔法の光の羽! 両手光の剣の炸裂弾、全力ライトニングスプラッシュ!!」
ドシュドシューーッ!
シュパパパパパパッ!!
ドドォオーーンツドドーーーンッ!
光の羽が敵兵をヨウシャ無く斬りすて、おびただしい数の光の矢が敵陣に降り注ぎ、遠目の敵に両手からの剣の炸裂弾が落下して大爆発を起こす。ただ、笑いながら両手短魔銃を乱射するのはさすがにほぼ悪人なのでそれはひかえた……
「ボクも必殺わざーーっ!」
「コォーーーッ!」
カピさまも爪と前歯で敵兵をジュウリンし、氷の兵士たちも次々に氷の槍を落として行く。
ドシュドシュドシュ! グサグサグサッ
俺達がめちゃめちゃに攻撃しながらすすむと、それまで有利に進めていたアルデリーゼ14万の軍の動きがぴたっと止まった。いやそれどころか明らかに混乱し、指揮系統がズタズタにされ、攻めて来ていた前線は崩壊して後退を始めていた。
「ど、どうした何ごとだ!?」
白馬の上でアルデリーゼが困惑する。
「そ、それが突然敵側に凶悪な眷属があらわれ全力攻撃を!」
「情報によると銀色、ユリナスとの報が!」
「こちらの眷属は?」
「ハッ途中から姿が見えません!」
「何だと」
アルデの顔にあせりが見えた。




