120%突破して信じられるかっ!!b
「光の魔法の杖、全力回復だっ!」
シュイ~ンキラキラキラ
詠唱も何もなしに俺が持てる限りの力で即座にイバラを全力回復する。
「ありがとう……大丈夫だよ気にしないで。けどお願い、このままコールディー姐さんを見逃して!」
シュタッ
「頼むよ、イバラちゃんの言う通りだよ」
だらだらと両肩から黄金の血を流し、大穴をあけたコールディが気付いたら横にいた。はやっ!
「お願い、姐さんを説得して戦いとか関係なく静かに暮らすから、見逃して下さい」
ガバッ
遂にイバラは土下座まで始めた。
「やめるんだ、ソイツに利用されてるだけだ、騙されちゃダメだって!」
「ううん、パッと今すぐ思いつかないけど、コールディー姐さんにも良いところがあるんだっ」
イバラは泣きながら頭を下げ続けている。
「頼むよぉユリナス、こう言ってるじゃないか、あんたとアタシの長い付き合いだろ」
「ユリナスさま?」
「早くやるカピ、ボクが必殺技を掛けるカピっ!」
「お願いやめてっ」
幼女のイバラが地面に頭をこすり付ける。ダメだ、こいつは回復した途端120%突破して復讐して来るヤツなのに、どうしてこうなるんだよ!?
「本当だな、本当にもう戦いに身を投じないな?」
「本当さぁ」
「う、うん、姐さんを関係ない世界につれて行くよお願い!!」
「行け!! 今すぐ二人とも視界から消えろ! カピさまも氷の兵士たちに追い掛けない様にしてくれ!」
「マジカピ?」
俺は横を向いた。
「あ、ありがとうよぉ」
「ユリナスありがとう……行こう」
スーー
イバラはコールディを抱えると、二人して飛び上がった。
スーーーー
どんどんと上昇して行く。
「コールディー姐さん良かったね……死なずに済んだ」
「いてっイバラちゃんお前にしては上出来だよ、さっそく黄金竜さまに回復してもらって復讐だよ!!」
「え?」
イバラは上空で衝撃を受けて目を開いた。
ワーワーカキンカキン
俺達は主戦場から置いてきぼりをされ始めている。
「ユリナスさまあれで良かったのでしょうか?」
「そうだよボクは信じられないよ」
「そうさコールディーはほぼ確実にまた攻撃して来るよ」
俺は悲しい顔で笑った。
「えっそんな……」
「次来たらイバラを巻き込まない形でケリをつける。今度こそな」
俺はイバラという身よりの無い幼女を利用したコールディーが、今度こそ許せずに怒りに震えていた。
「今からはどうするのさ?」
「俺は飛べなくなってしまった。だから走って黄金竜の元に行こうと思う。けどついでに走りながら出来るだけアルデリーゼの軍にダメージを与える。鬼になるよ!」
「わかったカピ、ボクもふたり聖女さんが気になるから、ユリナスに適当に付き合ってから飛んで行くカピ」
「わたしも黄金のゴーレムを出します」
俺達は敵眷族やドラゴンの消え去った戦場で、人間同士の戦いを再開した。




