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判断……


 ー代官館前

 とりあえずゴロとツキーが代官さんとインガリットを縛り上げ、マリを前にして途方に暮れていた。


「ユリナスどうしたのかねえ、帰って来ないねえ」

「恐らく追い掛けてった先生と相討ちになったのだろうて!」

「そうよっ貴方達さっさと私達を開放なさいっ」

「そうじゃ今なら忘れて許してやっても良いぞ。何ならさらに報酬を上積みしてやろうではないか!」


 一瞬考えてしまうゴロとツキーをクヌアーが叱りつける。


「ユリナスが負ける訳ないでしょ!」

「そうだよ、大家さんが言う通りさ。それよりも娘さんはユリナスとどういう関係だい?」

「だから大家さんです」


 たっしっ!


「解除!」


 俺が皆の背後に降り立つと、一斉に振り返った。



「ユリナスさん! 帰って来たのかい」

「ユリナスで良いよ」


 どさっ

 言いながら気絶したままのコールディを落とした。


「ひっ先生!」

「……もう終わりだわっ」


 インガリットが悲壮な顔になる。


「ゴロとツキー、この女格闘家を縄で縛っておいてよ。強いから気を付けて」

「何でお前に命令されるんだ?」

「良いからお聞き!」


 むくれる二人にクヌアーが念押ししてくれた。


「クヌアー潜入捜査ご苦労だったよ!」

「へっ」


 ポカーンとする彼女。マリはジトッとした目で見ている。

 ぱちぱちぱち

 俺は必死に連続ウインクをした……


「潜入捜査を頼んでいたよねー?」

「そ、そうだよっ! こんな上手く行くとはねえ」


 もちろん大嘘だ。だけど既に身内のクヌアーを、お縄にしない為にはこうするより無い。



「い、いやっ私達どうなるの?」

「そりゃ先生と一緒に王国に連れてって牢屋だろうね」


 俺は冷たく言い放った。


「いやよっ私牢屋は嫌っお願いユリナス助けてっ私貴方の事が好きなの!」


 もうさっきそのパターン散々聞いたし。でも……


「うっでもちょっと可哀そうだな……確かに代官さんは悪いけどこの子は性格悪いだけじゃ?」


 俺のつぶやきを聞いてマリがコケた。


「ちょっと、貴方ガケから落とされて殺されかけたのよね?」

「確かに! ソレ忘れてたよって何でマリ知ってるの?」

「勘よ!」

「インガリット、やっぱり罪を償う為に一旦は牢屋に入ってよ。一応ファニーには減刑を口利きしてやるからさぁ」


「いやーーっ牢屋はいやっお願い許して。絶対よ、ぜーったいに絶対に減刑してよっ!?」


 おいおい厚かましいなぁ。



 ズドドド

 そんな事を言い合いしていると、向こうから多数の足音が……


「今度は何だぁ?」


 俺達が待ち構えていると、緑色の団体がクワや槍や木の棒を持って走って来た。


「人間共を懲らしめろーーっ」

「この村はあたいらのもんだーっ」

「オオーッ」


 子供を取り返した女ゴブリン達が緑の一団となって攻め込んで来た……

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