トンビの様に、中ボスバトル!
クヌアーが一歩前に出る。
「雇用主? その代官はゴブリンの子供達を監禁する様な悪人さね。裏切って当然だよ!」
「ふん、今頃そんな事言って甘いね。それがどうしたってんだ? 薄々悪人と知りながら雇われたなら同罪だよっ!」
女格闘家は拳を構えた。
「一瞬の間だったけどPT解散の様だね。ゴロ・ツキーやっておしまい!」
「へへっユリナスやれなくてイライラしてたんだぜっ」
「女とて容赦しないぜっおりゃーーっ!」
二人同時に走り出した。
(ユリナス? さっきもそんな事言ってたけど、同名の別人だよね)
「ふふっ貴方達で勝てるかしらっ! ホイッ」
女格闘家は走って来たゴロを飛び越え、いきなりクヌアーに襲い掛かる。
「ムチを喰らいなっ!」
「そんな物効くかっ」
ぱしっ!
女格闘家は鞭をあえて腕に巻き付けると、ぐいっと引っ張ってクヌアーを前のめりに倒してしまう。
バタッ
「ちょっ!?」
「姐さん!」
「甘いっ」
走り寄るゴロとツキーを回転脚で一気に吹き飛ばす女格闘家。
ドババキッッ
「ぐあっ」
「強い!?」
「見たところB~Cランク冒険者って所かい? 私に敵う訳無いよっ!!」
女格闘家はゴロを踏みながらクヌアーを睨み付けた。
「ほおっ凄いですな先生!」
マリは街娘に似合わず、動じる事無く冷静に格闘家を見ていた。
ゴロゴロゴロ……
ユリナスは丘下まで転がっていた……
「ユリナス銀化っ!」
ズシャーーッ
くそっ油断した。何者か知らないけど後ろから蹴りやがって!
カチャッ
俺は折りたたんでいた銀の仮面を装着した。
「クヌアー達とマリは良いけど、代官とインガリットには見られたく無いな。べらべらしゃべられそうだよ」
言いながら俺は飛んだ。
ー再び代官館前
「お姉さん、さぁどうするのかな? PTのよしみで許してやろうかな」
「ハンッ誰があんた何かにシッポを振るか! 今にユリナスがアンタなんか倒してくれるさっ」
「……またユリナス? 違う人だよな……アイツは死んだんだよ」
「何をブツブツ言ってんだい?」
「先生っ早くかたずけて下さい」
「うんまあいいさ、弱い相手でもお代の分は戦うさ」
女格闘家が腕を振り上げた直後ー。
ビュンッ!!
「あ゛」
次の瞬間には女格闘家は消えていた。
「先生? 先生!」
後には慌てふためく代官さんが残されたという。
ーシルバー・リリー花のガケ
どしゃっ
トンビの様にさらった俺は、ぞんざいに謎の格闘家を落とした。
「痛いっ何だ……一体……何者だ?」
「えっ……」
俺は絶句した。目の前に落とした相手はコールディだった。何故か俺は足が震える。
ガタガタ……
ぱんぱん
反対にコールディは砂を払いながら立ち上がった。
「仮面の全身銀色の魔導士、飛翔魔法かい? かなり高度な魔導士の様だね。誰にいくらで雇われたんだよ?」
「……」




