シルバー・リリーの花?
「おおっ新領主さまおはようございます。今日はご機嫌はどうですかな?」
「ふぅ。い、いやあなんだかインガリットに会ったら、マリにつべこべ言われた事もスッと忘れたよ」
凄い演技賞な俺の台詞!
「なるほどあのマリという少女は、口うるさそうな感じがしますな。インガリットは殿方に従順になる様にしっかりしつけて御座いますからなあ」
悪口言うな! 俺が仕向けたんだけどさ。
「まあ恥ずかしいですわお父様」
ぎゅむっ
すかさず胸を押し付けて来る……確かにソツが無いよ。と、親子で何か目配せしてるぞ。
「どうですかな、今度こそ今日の昼食はワシの館で摂られませんか?」
「う、うん……なんだか彼女はゴブリィの家に籠っているし、昼食頂こうかな?」
「おおっそれは良いですな」
「ねえ~んユリナス様ぁ~ん、わたしくしシルバー・リリーの花が見たいですの。一緒に行って下さる?」
君そんなしゃべり方だったっけ? ともかくこれで大幅に時間を稼げるな。昼食作りに館の注目を集めさせておこう。
「うん一緒に行きたいよ。それと代官さん将来の事とかしっかり話し合いたいから、昼食は豪華にしておいて!」
「わかりましたぞフフフ」
すっげー悪人顔で笑ってやがる。今度こそ毒が入ってそうだよ。
「シルバー・リリーの花ってどこに咲いてるんだい?」
いきなり館の裏面に行ったりしないだろうな?
「花は村の外のガケの近くに咲いてますの……」
「へェー」
崖ってヤバイ雰囲気が。
「でも村の近所でもたまに弱いモンスターが出ますのよフフ」
「でも俺一応冒険者だから、弱いモンスターなら倒せるよ」
「え?」
あからさまに彼女の顔が曇る。ヤベッつい言ってしまったよ。
「あーでもFランク回復師で挫折して銀細工師に転職したんだアハハ」
「まあっなるほどねクスッ」
今バカにしただろっ完全にバカにしただろっ!?
程なくして花の咲くらしいガケに到着した。
「全く何も咲いてないけど」
基本的にシルバー・リリー村周辺からはほぼ何も無い荒れ地だ。ガケの辺りにも木も草も何も無い大地が広がる。
「おかしいですわね、私が子供の頃はお花が一杯咲いていましたのにグスッ」
「へえそうなんだ」
「あっもしかしたらガケを覗いた辺りに咲いているかもしれないですわ!」
おいおい。
「じゃあ俺が取ってあげようか?」
「まあ嬉しい。でも危険ですわっ」
ワクワクドキドキ。
「安心してよ、これでも元Fランク回復師なんだぜっ」
「ブッま、まあ頼もしいですわ」
今完全に吹いただろ? Fランクで吹いただろ!?
「……冗談でも押さないでね?」
「もちろんですわ、面白いユリナスさま!」
「そんな事言って押しちゃダメだよ?」
「もぅ意地悪っもちろんですわっ」
「うーーーん」
届けっ!




