証書、正義の味方る?
「あの~勝ち誇ってる所悪いけど、俺一応本物の新領主で国王と大臣のサインの入った辞令書と土地証書持ってるんだけど……」
確かにまあでも領主とか騎士っておじさんが多いから信用出来ないかも知れないよな。この子が高飛車かどうかとか関係無くてさ。
「ははあ? その辞令書とか証書とやらはご自宅の金庫にでも大切に保管されているのでしょう」
「ぐはっその通りなんだっ見せる事は出来ないけど、俺本物の領主なんだよ信じてくれよ!」
俺は激しく悔しがってみた。
「もういいですわっ時間のムダですわね。ゴブリィ、警備の女ゴブリン共を呼んでらっしゃい!」
「えっでもインガリットさま……お兄さん今すぐ謝って!」
「そう、すぐに土下座でもすれば許して差し上げますわ」
うっゴブリィごめん、君がそこまで優しいなんて……ファンヌも泣きそうになってるし。
そんな所でもう我慢出来ないって感じで、突然マリがかばう様にゴブリィの前に立ちはだかる。
「ユリナス貴方結構いじわるね? 何ハードル上げてるのよ、ゴブリィちゃん達が可哀そうでしょう。インガリットさんかしら、こちらちゃんと辞令書も証書も今持ってますし、お見せします! はいユリナス早く出す!!」
「うそ……」
もぅマリって俺とおない年くらいだよね?
何でこんな世話焼き女房みたいに偉そうなんだよ。ってでも確かにゴブリィ達に悪い事したな。俺は急いで証書類を出した。
パサリ
「お城にちゃんと写しがあるから、破いたり食べたりはムダだよ」
「わたくしヤギでは御座いませんので食べたり破いたり致しませんわ! ふふんどうせ偽物でしょう、どれどれ……」
証書があるという話で多少ドキッとした顔をしたが、すぐに高飛車な態度に戻ったな。
「どうかしら?」
「……あれ……国王と大臣の正式なサインもありますわね、この書式もちゃんとしている感じですわ」
(もっとチャチな偽物を期待したのに……もしかして本物? 確か近々新領主様が来るという話がお父様からあったけど、本当にこの二人なの?)
むむむ、お嬢様の表情がどんどん戸惑いに変わるぞフフ。すっごい大長考してるけど。
「あのー見たらソレ返してくれる?」
「貴方いえ新領主様、わたくしまだ子供ですので代官である父がもう一度確認します。いえ、失礼ながら確認させますので、代官館に来なさ……いや、来て下さいますか?」
うわ混乱して急に言葉が慎重になった。これがザ・権力かー!
「そうしてもらえるとありがたいわ」
うーん勝ち誇るマリが怖い。
「領主館がこんな感じの廃墟になってるけど、代官館って?」
「あ、あちらですわ」
インガリットが指さす方を見ると、最初気付かなかったが遥か丘の上に凄く立派なお屋敷が立っていた。
ででーん
「すげーお屋敷……」
「でも登るのしんどそうだわ」
「馬車で登れる道が御座いますわ」
うっどう考えても代官だけ私腹を肥やしてる感じがする。村人の簡素な家屋と違い過ぎるでしょ!




