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自称騎士扱い


 ーマリの館


「銀化!」


 シャキッ

 俺は500エピ銅貨を即座に純銀に変えてやった。


「なんて事するの? 500エピあれば飲み物が2,5杯飲めたのに」


 庶民のマリだけが激しく反応する。


「良いんだ、これを銀化してから君とファニーとクヌアーに出会えたから。お守り代わりに持っておくんだ!」

「へェー」


 聞いておいて反応薄っ! でも俺は大事に銅銀貨をポケットにしまった。


 ーこの後、この500エピ銅銀貨がさらなる数奇な運命を辿る……という事は全く無いので御座います。



 ー数日後


「おりゃおりゃおりゃ!!」


 シュババッ

 全身銀化した俺の頭上から無数の光の矢が降り注ぐ。

 ドドドド……

 激しい砂埃の下で無数のモンスター達が駆逐されて行った。


「ふむふむ、トレント狙っただけでスライム20匹程度に陸ペングイン5頭に飛んでたガーゴイル2匹も巻き込まれてるぞ、意識してない敵まで倒しちゃうとか前の俺と違い過ぎて辛い」


 俺はモンスター達の死体を前にして途方に暮れた。これじゃあ虐殺だよ……などという感慨も30秒程で終わり、売れる部位だけを取るとさっさとギルドに向かった。



 ー冒険者ギルド

 どちゃっ

 俺はいつもの窓口お姉さんの前に数日分の戦利品をぶちまけた。


「まあっお待ちしていました自称騎士のユリナスさん!」

「自称じゃ無いから! 本当に王様から騎士に任命されたから」


 声が大きいよ。恥ずかしいし。


「じゃあ叙任式の日取りは決まったんですか?」

「……まだ」


 あれからファニーからも連絡が無い。俺もだんだん疑い初めて来た!


「す、すいません。決して今後は口が裂けても聞きませんから、気を落とさないで下さい!」


 そういうセンシティブ話題扱いされても悲しい。


「ごちゃごちゃありますが全部合計して20万エピになります。わぁスライム数匹で苦労していたFランク回復師の貴方とも思えません!」


 もしかしてこのお姉さん喧嘩売ってる? でも可愛い笑顔に癒されてるし許そう!

 チャラ

 5万エピ金貨4枚をもらう。よーしさっそく豪遊だぞっ!



 と、その前に……


「あ、あのぅーお姉さん、申請してたアレなんだけどさ」


 俺はドキドキしつつ上目づかいに聞いた。


「ユリナスさん……実は実は」


 ゴクリ


「実は?」

「残念でしたーーっPTの誘いはまだありません!」


 なんか嬉しそうだな~一瞬殺意が湧いたぞ。これでスカ連続何回目だよ……俺は泣きながら館に戻った。



 ー店裏の中庭

 チャリン


「はい家賃一か月7万エピ×二人分で14万エピ。お釣りちょうだいね」


 しっかり相場の家賃を取るしっかり者のマリ。


「お釣りとかケチくさいわね~~」

「どっちが!」


 弟子から家賃取るなよ。


「いくら強くなったとは言え、弱い敵を倒しておっても時間が掛かるじゃろう? ズバッとダンジョンとか攻略してボス敵を倒して大金を得れば良いではないか?」


 今日も縁側でボーッとお茶を飲んでばかりの師匠に核心を突かれた。


「やーそれすると、俺が銀化出来るナスビィーだとバレてしまうじゃないかっ」

「何で銀化を隠しておるのじゃ?」

「だってあんなのバレたら一生牢屋に閉じ込められて銀化を強要されるよ!」

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