魔法銀?
「何だそれは、大騒ぎした割に簡単ではないか!」
カァッ!
呆れ果てるファニーに俺は凄く恥ずかしくて何も言えないよ。
試しに自分で【解除】くらい唱えてみても良かったんだ。マリにはこれを会得する為に強いモンスターを倒して得たスキルとか言ってしまおうか。
「マリが聞いたら何と言うか楽しみだなフフ」
お、おい言い付ける気かよ。
「じゃあさ、試しにこの銀のホウキで」
「やめるのじゃっ! それはワシとユリナスの愛の証ではないか!?」
「え、愛の?」
師匠に銀のホウキを取られてしまった。
「ではこの石ころで……銀化! 解除!!」
シャキッ、シュインッ!!
スキル【銀化】で純銀になった石は、次の瞬間に解除されて石に戻った。
「その銀化とやらは何か攻撃には使えんのか? 例えば石を無理やり飲み込ませて銀化するとか」
ファニーが意味不明な事を口走る。
「飲み込ませた石を銀化して何か意味あるの? 飲み込ませる時点でもう致死性高いじゃん!」
「あ、そうか……偽金作るくらいしか思いつかんのだ。役に立たん能力だな!」
ドキッ
「そうじゃなあ、ユリナスは普段からワシの加護が掛かっておるが、全身銀化すればそれが強くなる程度か」
「だから壺で頭を強打してやったのに無事だったのだな!」
笑顔で言う事? あの時死んでたらどうするのさ。
「でもやっぱり銀化自体は戦闘には使えないなあ……」
「戦闘に仕える銀化もあるのじゃがなぁ」
師匠がボソッと呟いた。
「えっどんなんですか!?」
「うむ、【銀化】の上位スキル【魔法銀化】じゃ。これがあるから竜族の加護の中でワシの加護が最強と言われておるのじゃ!」
し、知らなかった。単に偽金作れるラッキーとか言ってた自分が恥ずかしい。
「でも……でもそんな凄い能力を何でFランク回復師の俺なんかに?」
「そんなの……もぅ恥ずかしくて言えんのじゃっ!」
ポッ
何故か師匠の頬が赤くなった。
「でもまだ【魔法銀化】は教えておらんのじゃが」
あっそうだった! 早とちりしてしまった。そう言えばまだ教えてもらって無いのだった。
「ユリナスよ、今サクッと教えてもらえば良いではないか」
「という訳で教えて下さ~い!」
俺は笑顔で手を上げた。
「そうじゃな、では教えてしんぜよう……て教える訳無いじゃろが~~い!」
え?
「何でですかーー?」
「教えてやったが最後、もうワシには会ってくれぬのであろう?」
ギクッ
確かにもうここに来る必要無いしね……ってそれは酷いか。
「そんな事無いですよ、ここは俺の第二の故郷になりましたし、度々来るつもりです!」
シィーン
「嘘じゃっ! そんな甘言には騙されんぞ」
あーまた師匠のボケ老人っぽい所が出て来てしまった。




