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11話 国家間騒動 その1


「えっと、確認したいんですけど……」


「なんや、亮太って呼んでええんか?」


「はい、大丈夫です。ヴァンさん、竜神族を倒したのはマズかったということでしょうか?」


 ヴァンやナハトの驚きようから俺は察した。もしかすると、100体近くの竜神族殺しは罪に問われるのではないかと。自分の中で冷や汗が出て来るのを感じる。


「まあ、正当防衛みたいやしそれ自体が問題になるわけじゃないな。単純に100体もの竜神族を倒したのが驚きなんや。スタンダードクラスの連中でもBランク冒険者やったらサシでなんとか勝てるかくらいやぞ」


「……」


 正直、スタンダードクラスと言われてもピンとこないのだが……誰がどれかなんて、俺達からすれば全く分からないし。


「ハイレベルクラスの奴が混じってたとするなら、Aランク冒険者でも相手するのは厳しいわ。どや? それらしい奴はおったか?」


「いや、全然分からないんですけど……」


 いきなり出て来た単語に割り当てるなんて不可能だ。でもまあ、一応ボスっぽいのは存在していたか。


「俺が倒した個体の中に明らかにボスっぽい巨体の持ち主はいました。それが本当にボスなのかは不明ですけど」


「なるほど、話を聞くだけやと分からんというわけか」


「まあ、そうですね」


「う~ん、100体もの竜神族か……まあ、プライマリークラスの集団やったと考えればあんたらなら倒せても不思議ではないんか」


 プライマリー……スタンダードの下が存在するわけね。俺はとりあえず深くは考えないことにした。深く考えても意味がなさそうだしな。


「まあ、どのみち亮太達はかなりの強さを秘めていることは間違いないってことや」


「そう言って貰えるのは嬉しいですが……」


「こんな片田舎やったらもっと調子に乗ってもええんちゃんか? カイザスもぶっ飛ばしたんやからな。この辺やと敵なしやろ」


「いや……どうですかね」


 ヴァンは調子に乗せてきているけど、俺としては必要以上に乗りたくはなかった。まだまだ、この世界のことは分からないことが多いんだし、なるべくは謙虚でいた方が良いはずだ。それは中学の頃から遊んでいた「ディザスターストーリー」で培っている。自分がトップクラスの実力者になるまでは上には上がいたものだ。


「ねえ、亮太。提案があるんだけど」


「どうしたんだ、エリーゼ?」


 俺は話し掛けて来たエリーゼの方に視線を合わせる。


「今回の竜神族討伐の件なんだけど、相対した場所を含めて、王都リルカーンには報告しておいた方がいいと思うの」


「王都に報告? それって……」


「ええ、もしかしたら今回の件は国家間騒動の火種になるかもしれないから」


 エリーゼからの提案……それは俺にとっては大きな事柄のように聞こえた。確かに、他国の兵士をあれだけ倒したのなら、理由はどうであれ騒動になる可能性は捨てきれない。


「王都リルカーンか……遠いかな?」


「ここから馬車で2日くらいで着くわよ。それほど遠くはないわ」


「2日か……なるほど」


 エリーゼの言う通り、確かに報告はしておいた方が良いかもしれない。後で責任を取らされても困るからな。問題は向かうメンバーだけれど……。


「レミラとマリアは引き続き、適当に依頼をこなして貰えるかな? 俺はエリーゼと王都に行ってくるよ」


「畏まりました、亮太様」


「は~~い、分かりました!」


 屈託のない返事が二人から返って来る。


「そんなら俺達も同行するわ」


「えっ、ヴァンさんとナハトさんも……?」


 予想していなかった方向からまさかの声が聞こえて来た。先ほど知り合ったばかりの二人が付いて来る?


「ええやん、別に。それにDランク冒険者やFランク冒険者だけよりも、Bランク冒険者もいた方が信憑性があるやろ?」


「あ、まあそれは確かに……」


「それなら決まりやな! まあ、道中よろしく頼むで!」


「よろしくっす」


 ヴァンもナハトも完全に付いて来る気だ。マリアはとても不愉快そうにしている。だからといって断ることもできないんだけど。Bランク冒険者と同行できるのは信頼を得るという意味でも重要だしな。マリアとレミラの二人には悪いけど、今回は留守番をお願いするよ。


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