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生徒会長から最後に頼まれたこと ④

 生徒会の会議が終了した後、佐久間先輩と等々力が、僕に声をかけてきた。

「伊藤、久しぶり!

 いい活動報告だったよ。それとPOPは伊藤がいろいろ助けてくれたのに、きちんとお礼を言えてなかったね。

 改めて、ありがとう! 助けてくれてうれしかったよ!

 図書委員としても活躍してたみたいだね。

 朝日さんが『いつも力になってくれて助かってる』って言っていたよ。

 陸上部を辞めたあとは心配していたんだけど、楽しそうに活動してるみたいでよかったよ」

と佐久間先輩。


 そして横にいた等々力が、

「伊藤、俺だけ陸上を続けてしまって……」

といろいろ言いたげだったが、

「まあ、もう終わったことだし」

と、いまさら余計なことを言うなよ、と等々力を制する。

『佐久間先輩って、いい人だけどいろいろと面倒なところあるから』と、心の中でつぶやく。


 すると等々力が、事件のことではなく、

「伊藤、僕は絶対、今度の生徒会選挙で生徒会長になるから、いっしょに生徒会でがんばろうよ!」

と、とんでもないことを言い出して、僕に握手を求めてきた。


「え、どういうこと……」

「どういうことって? 朝日先輩から、次の図書委員長は伊藤に任せるからよろしく頼むって……」

と答える等々力。


 すると、佐久間先輩からも、

「僕も朝日さんから『誰が生徒会長になっても、図書委員長は伊藤で決まりだから』って言われたけど……」

 だから余計に伊藤のことが気になってさ、などと言ってくるが、頭に入ってこない!

 寝耳に水の話に驚きを隠せない僕は、けげんな顔をした等々力と握手を交わしつつ、目で朝日先輩を探した。


 会議室から出ようとしている朝日先輩を見つけて慌てて追いかけた。


「(小声で)朝日先輩、どういうことですか!?

 次の図書委員長を僕に任せる話なんて聞いてないですけど……」

 そう問い詰める僕に、不思議そうな顔をした朝日先輩は上目遣いで、

「伊藤君。君以外に、誰が次の図書委員長を継ぐのよ?」

と言って首をかしげた。

 とまどいながらも、答える。

「えーっと。畑中とか清水さんとか……」

 すると、強い口調で、

「畑中は、器物破損の犯罪者だから、ダメ!

 清水さんは気が強すぎ!

 図書委員には、おとなしい生徒が多いから萎縮しちゃう!

 だいたい、委員会活動の総括まで担当してて、やらないってどういうつもり!?」

と無茶苦茶なことを言い出す。


「それは、先輩がやれって言うから!」

「ねー。さっき『今後の図書委員会はさらなる発展を遂げられる』ってまとめてたじゃない?

 伊藤君がそれをやるのよ! 書店でバイトしててミナミ書店の沖田店長と仲いいし、帰宅部だから時間もあるし!

 なにより、図書委員で君が一番図書委員会の活動に熱心だったじゃない!」

「それは、そうなんですけど……」

「うるさい!

 この前、部活を辞めた理由を聞かなかった件、貸しにしたよね! あの貸しを返しなさい!

 これは決定事項です!」


 これで話は終わったとばかりに、会議室を出ていこうとして、思い出したかのように僕に向かって振り帰る朝日先輩。


「伊藤君。図書委員会のことは任せた! バトンタッチ!」


 そう高らかに宣言し、右手を差し出す。

 オズオズと差し出した僕の右手をパチンッと叩いて、さっそうと出て行く、朝日先輩だった。

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