凄すぎて手が足りない
今までに無い快適
佳代様の提案された排泄室は画期的だった。
水路を活用して汚水を使って肥溜めに流すとは誰も考え付かない構造だ。
最初に佳代様と舞様専用を設置したが、あまりの素晴らしさに陛下の間に作ろうとしたが、汚水など溜められない。
調理をする佳代様のお近くで会議していると、サラリと言われた。
「浴間の近くに作って、入浴後の水を使えば?」
思わず建設省の長が顔を見合わせた。
「確かに、それならば問題ない」
「あと、お妃様用を先にした方がいいわね。陛下の指示って事で」
「そうなのですか?」
「そう」
何故か言い切られて不思議そうに首を傾げながらも、いち早く設置するために現場に向かうべく建設省長は立ち上がった。
「先に水路を作った方が効率がいいと思うわよ」
「そう致します」
思い当たる事があるのだろう。深々と佳代様に頭を下げると足速に出ていった。
「ゆくゆくはこれを庶民の家にも使えないだろうか」
それに、佳代様はあっさりと言った。
「公衆排泄場所を作ればいいのよ。使えない人はそこから流すようにすれば異臭は減るでしょ。水路は道路の端に作って蓋して、小さい溜め池を汚水捨て場に兼用すれば汚水も回収できるし。多分だけど、今は汚水をその辺に捨てているんじゃない?」
まさにそれ!
これは国中に普及すべきと、早急に対応するために計画書を作らねばならない。
お風呂に焼いた石を入れると言う発案は、すぐに導入することになっている。
お湯を運ぶより遥かに楽で効率がいい。
事前に水を入れて置き、焼いた石を入れて沸かす。
これらをいかに効率よく広めるか、議論が続いている。
まずは水路を作り、水の流れを確認し溜池の配置を箇所を選定する。
これには国の事業として坑夫を導入するだけでは手が足りず、兵士や下級騎士、各種ギルドも導入して水路を作る。
当初、理解を得られず事業の進行の進みは良くなかった。
一部整った箇所で排泄場所を整えてそれを利用すると、状況は一変した。
誰もが、この素晴らしい設備を城下全域に広げるべく全力を傾け始めた。
国が変わり始めている。
主婦、何という奥深い未知のスキル。
主婦じゃなくてオタクの知識