リホレイヤ
◆◆◆リホレイヤ◆◆◆
「とりあえず、階段の位置はわかったのでもう次の階へ・・・あれ?」
「どうした?」
「階段で何体か待機するように指示を出したのですが、3か所あるみたいです。」
高さが階段を降りた感じになっているので少なくとも階段があるのは間違いなさそうです。
「となると、今度は複数階層を跨いだフロアのようだな。どれが当たりの階段かわからぬし、他にもあるかもしれん。」
「うーん、片っ端から調べるしかなさそうですね。」
1つづつ調べてみて、遅くなったら帰ればいいんです。うん、そうしましょう。
「面倒だが、探索とはそういうものだ。」
「一番近そうなのは・・・近そう・・・うーん、ここを真っすぐ行って右の階段ですね。」
「では、そちらから向かうとしよう。」
てくてく、ふよふよ、のっしのっし。
てくてく、ふよふよ、のっしのっし。
「通路がそれなりに広いから今回はロイヤーも一緒に探索できるね。」
ロイヤーはまんざらでもなさそうです。
「あ、あっちに宝箱があります。」
今ビビっと来ました。
「寄るのか?」
「はい、もちろんです!」
宝箱は欠かせませんよね!
MEEHEEEEEE!
REEEEEE!
「え?ヤギ?」
「こっちにくるぞ、気をつけろ。」
ヤギの群れがこちらに走ってきます。
スケルトンさんたちがいるのに、そちらには全く襲い掛かる素振りがありません。
一方、スケルトンさんたちには攻撃の指示を出していないので呆然と突っ立っています。
キリコさんやロイヤーは大丈夫かもしれませんが、私は踏みつぶされてしまいそうです。
「ロイヤー、防いでね?」
私はロイヤーの影に隠れてやり過ごす事にしました。
「これはうまそうなヤギだ。」
キリコさんはそうこぼすと真っ向から群れに突撃し、体当たりやパンチで何体か仕留めてしまいました。
痛くないんでしょうか?
仲間をやられたヤギが激高したのか、キリコさんを威嚇しています。
やっぱり魔物なのかな?
▼リホレイヤ +敵
名前的に魔物っぽいですね。
「いいぞ、逃げるなよ?飯が減ってしまうからな!!」
ヤギは勇猛果敢にキリコさんに挑みましたが手も足も出ず、逃げないことに余裕を感じたキリコさんの手刀によって首を両断されて行きました。
「はははは。今日は本来の姿でもたらふく食べられそうだ!おっと、血がもったいない。人化解除。」
キリコさんが巨大な魔獣へと姿を変えたかと思うと、倒したヤギを蹂躙し始めました。
次々とヤギの魔物を口へ放り込んでいきます。
「やっぱり生で食べるんですね・・・。」
血を滴らせながら、ボリボリバキバキとほおばったヤギをかみ砕く音が聞こえてきます。
どさり。私の目の前に1体のヤギの魔物が投じられました。
キリコさんの口元が歪んでいます。
「さばくのは何度かやったことありますけど、火を起こす準備はしていませんよ?」
そう言うと、キリコさんがヤギの近くに火を出してくれました。キリコさんって何でもできるんですね。
「ありがとうございます。ナイフは、1階で拾ったダガーでいいかな。」
キリコさんのせいでちょっと食欲がそがれてしまいましたが、それでもヤギの魔物はおいしそうです。
あ、町で飼っているヤギはやせ細っているので美味しくありませんからね?注意が必要です!
私はずばずばっと雑にさばいてなんとなく筋張っていない所を火にかけました。
ジュージュー焼けていておいしそうです。
余ったところはキリコさんがざっと焼いただけで口に入れてしまいました。
ヤギの骨付き肉がいい感じに焼けたら私も食べてみました。
まぁまぁおいしいけど、塩くらい持って来てたら良かったなぁ。
食べ終わったら骨とかは通路の隅に置きっぱなしにして先に進みました。
ダンジョンだと吸収されて無くなるからゴミの処分は楽でいいですよね。




