もったいないです
◆◆◆もったいないです◆◆◆
気を取り直して宝箱の方に向かうと、またヤギの群れが出てきました。
「ヤギはもういらないです。ロイヤーお願い。」
「対処できない侵入者を轢き殺す作戦なのだろう。とはいえ、今は満腹だから食欲がわかぬ。ファイアウォール。」
炎の壁がヤギの行く手を阻みますが、ヤギは気にせず向かってきます。
また大量のヤギの丸焼きが出来てしまいました。
「運ぶべきか、運ばざるべきか、いや、経験値の為には仕方ない。捨てていこう。」
「な、なんてもったいない。肉を捨てていくだなんて・・・!!」
肉を食べたくても食べられない人がいるのに、ばちが当たります!
「仕方ないのだ。あんなのを運びながら戦闘などできぬし、長持ちもしない。加工も出来なければ収納も出来ない。それに。」
「それに?」
「偉い人が言っていた。JPは金や命より重い!」
「経験値の話ですよね?ジョブポイント?」
「おっと、そうであった。まぁとにかく。経験値を稼いでおかないと結局は命の危険にさらされるから稼げるうちに稼いでおかなければならないという意味だったはずだ。」
「なんだか本末転倒のような?」
「例えば、スタンピードが起きた時にLvが低ければ死ぬ可能性があるし、よりLvが高ければ自分だけではなく共に戦う勇士を助ける事さえできるだろう?
あの時、肉なんか捨ててLvを上げていればなんてことにならないとは言い切れまい?
そもそも、倒さなければ進めないのだ。
持ち帰ったりしていてはいつまで経っても進むことは出来ぬ。」
「だから、いつまで経っても肉が高いままなんですね。」
「肉と武具。どちらを持ち帰るかなど、比べるまでもない。せいぜい有用な部分を剥ぎ取る程度が関の山だろう。」
「ちなみに、このヤギの魔物の有用な部分ってどこですか?」
「そんなものはない。」
「え、あ、そうなんですか・・。じゃぁ、ここにいた冒険者パーティーの人たちはここで何をしていたんでしょう?」
「主と同じように、宝箱でも開けていたのだろう。ついでに間引きの依頼でも受けていたかもしれぬがな。」
「なるほど。あ、私、依頼受けていません・・・。」
「今回は調査と思えば依頼など邪魔なだけであろう。受けた所で何をこなせるのかすら分からぬからな。」
「それもそう・・ですね?」
話していると宝箱のところにつきました。
「壁の中、みたいです。どうやって掘ろう?」
つるはし、ずっと持っていた方がいいのかなぁ?
でも、嵩張るし重いんですよね。
「またトカゲにガリガリ掘ってもらうしかなかろう。」
「ですよね。ロイヤーがんばってね。」
ロイヤーは文句も言わずに掘り始めました。ロイヤーはいい子ですね!
なでなで。
ロイヤーが頑張ってくれたおかげで、埋まっていたものを取り出すことが出来ました。
「って、これ、おなべのフタじゃないですか。」
「はは。見かけによらず、高性能かもしれぬぞ?」
「もう、いいです。丁度盾を持っていなかったので、とりあえずこれを使います。」
「似合わぬ、似合わぬ!ははははは!」
「うー・・効果が弱かったらタワーシールドに変えよう・・・。」
重いから買いませんでしたけど、いつもロイヤーに守ってもらうわけにもいきませんからね。




