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ドールマンサー伊織  作者: 直井 倖之進
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エピローグ


               エピローグ


 深夜。屋敷へと戻った伊織たちを待っていたのは、「遅くなるのなら、連絡ぐらいしなさい!」と怒っている葵だった。

 伊織に代わって朱音が事情を説明すると、漸く、葵の怒りは収まった。

 元の落ち着きを取り戻した屋敷で、朱音が言った。

「それにしても、今回は危険でした。真島さんがいなければ、もう少しで沙耶ちゃんは向こうに連れて行かれちゃうところだったんですから」

 そこに、

「それは違うと思うわよ」

 と、小さく首を振り、葵が答える。

「伊織はね、その気になればいつでも沙耶ちゃんを目覚めさせることができたはずよ。でも、そうはしなかった。だって、それは、沙耶ちゃんの命を救うことになっても、心を救うことにはならなかったから。伊織は、真島さんだけが沙耶ちゃんの心を救うことができると分かっていたのよ。ね、そうでしょう? ドールマンサーさん」

 普段の彼女からは想像できない褒め言葉に、伊織は、照れたように頭を掻いた。

「さぁ、どうでしょうね。それより、近く私と朱音は、渋沢様のお墓と沙耶さんの病院へ行くことを取り決めたのですが、葵はどうしますか?」

「行くに決まってるでしょう。日焼けなんかより、二人の帰りが遅いのを心配するほうがもっと嫌よ」

 葵が腕を組んでそう答えると、伊織と朱音は顔を見合せて笑った。

 屋敷の縁側から流れくる八朔の夜風は、そんな伊織たちの頬を優しく撫ぜ、吹き抜けていくのだった。

 ご訪問、ありがとうございました。

 以上をもちまして、『ドールマンサー伊織』も終了です。

 現在41歳の私が、20代のころからですので、もう随分と長く、文章を紡ぐという趣味を続けています。

 しかしながら、未だに自分の中での『小説神髄』というものには辿り着いておりません。

 坪内逍遥は、私が小説を書き始めた20代のころには既に、『小説神髄』を世に送り出していたのですから、文学というものの捉え方について、彼に大きく後れを取ってしまったことは言うまでもありません。

 結果として、駄作、拙作ばかりを書き連ね、今日に至っております。

 その中でも、この『ドールマンサー伊織』は、私の初期の作品です。今読み返せば、粗さが目立ち、思わず、「若いねぇ」との言葉が口から出そうになるのですが、別に昔の写真に髭を描いたところで偉くなるわけでなし、言葉の誤用、誤字、脱字以外は書き直さず、そのまま掲載いたしました。若さや粗さというものは、その時代の自分にしか出せない“味”ですからね。

 

 ここ、『小説家になろう』さんに拙作を並べさせていただいてから半年あまり、これで6作目が終了です。本当は、もっとのんびりと行く予定だったのに、いったいどこで間違ったのか……。そのうちに、軌道修正しようと考えております。

 

 さて、そんなことを述べた矢先から、7作目の紹介です。

 次作のタイトルは、『ヤドカリ警官』。ジャンルは、“ヒューマンドラマ”で、香りづけという意味でのエッセンスとして、推理要素が入っています。そのため、“ほんのり推理風味、ヒューマンドラマ”です。

 本エピローグ投稿後、続けて『ヤドカリ警官』のプロローグを投稿いたしますので、よろしければ、ご覧になってみてください。

 

 それでは、ここまでお読みくださった全ての皆さんに、深く厚く御礼申し上げ、6作目『ドールマンサー伊織』も幕とさせていただきます。ありがとうございました。

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