4話 初見殺し
「———柊君?」
去る女の子を視線で追って居るとまた
背後から耳障りの良い好きな声が聴こえた。
でも、自分の事を呼んでると気づかず、
ぼーっとして居ると肩を掴まれた。
「———柊君ってば」
その瞬間に『四季 柊』としてこの世界では認識されてる事を思い出した。
それと同時に振り返り、自分呼んでる誰かを確認した。
「え?」
超タイプの子で、顔も声も体型も
完全に好みに当てはまってる可愛い子だった。
そして..なにより強いポイントは!!
猫耳があった!?
「———今日一緒に初登校するって」
「.....言ってたのに」
「家まで行ったのに...待ってたのに....」
マズイ...なんかミスったっぽい....
でも、この子は不安そうな顔すら可愛いなぁ...
「さっき...喋ってた子は..」
「———誰なの?」
あの怖い子か...
怖くて顔も見れなかったし、
名前も知らないし他人で良いよね..?
「他人だよ、あの子は会ったばかりで———」
言葉を言い切る前に、お腹に熱い感覚がした。
「———つき」
「———嘘つき!!!」
お腹から熱がじわじわと広がり、
熱が痛みと変化し始めてようやく気がついた。
———これが獣人の爪の鋭さ..か
お腹の中の物が溢れ落ちる音が聴こえ、体温が下がって、
吐き気と、視界が白飛びする感覚が徐々に強くなる。
———痛い
———怖い
———死にたくない
視界は暗転し文字が流れ、声が聴こえる。
———ゲームオーバー———
「女の子との約束をスキップするのはイケナイな~」
「相手の気持ち考えなきゃダメだよ~?」
背後から聴こえる声には聞き覚えがある。
可愛いのに、この何処かムカつく声...
———いやこれは流石にさ...
「理不尽だろ!?!?」
「何も言われて無かったし!?」
「そもそも、約束した記憶も無いし!?!?」
「なんて酷い事を言うの~」
「女の子の約束を覚えてないなんて、」
「柊君は酷い人だな~♡」
振り返って顔を確認すると、顔だけは可愛い。
なのにやってる事と言動があまりにもウザい...
———やっぱりコイツ嫌いだ
「あと痛えよ!?」
「おい!!クソ女神!?」
「ハーレム主人公なんだろ!?俺は!!!?」
「今の所、腹裂いて来る美女と、肩ぶつけて文句言って来る女しか居ねえぞ!!!??」
「どうなってんだァ!?」
レインは嫌な笑顔を浮かべて訊いて来た。
「———痛いのは嫌?」
「当たり前だろ!!?」
レインはゆっくり近づいて来て俺の背中を抱いて、
今まで聴いた事のない、
綺麗で、優しい声で言った。
「———ボクを愛してくれるならこの世界から出してあげる」
今の俺には答えは一つしか無かった。
「嫌だけど?」
その瞬間、レインは半泣きになって声を荒げた。
「もう一回死んじゃえ!!!」
レインが叫んだと同時に強制リスタートさせられた。
その必死な声がなんだか、
懐かしく感じて少し不覚にも可愛いと思った。
レインを書くのが結構楽しいですね。
文章を崩しやすいキャラ書くの楽しいです




