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プロローグ

 この世界には龍が存在する。

 綠龍、蒼龍、紅龍、黒龍、そして白龍、後者に行く程に持つ力は強くなり、より高みの存在となっていく。

 龍は特殊な力を持ち知能数も高いことから政界や研究職、果ては国家同士の戦争などにも深く関わってきた。

 種族としてそこまで数の多くない龍を一人でも国内に引き込むことが出来れば一気に国の序列が変わる、なんてこともざらにあるくらいには特別な存在で、人間の手なんて掠りもしない程に高貴な生き物だ。

 だが龍は龍同士では子を成せない、だからこそ代々子孫を残すために普段は人の形に成り代わって人の中に潜み、人の中からより優れた個体を探して番を選んできたという歴史がある。

 だからこそ永い年月人間と龍は共に歩んできたのだ。

 そして、近いうちに私の妹は結婚する。

 綺麗な桃色の頭髪と薄いピンク色をしたガラス玉のような瞳を持つ妹。

 この国では桃色は吉兆の証。

 そんな妹を選んだ相手は蒼龍、龍の中では下から二番目の位ではあるけど充分な程には大きな力を持つ存在だ。

 我が家はそれなりに昔から名を残してきた名家だけど父が死んでからは傾きかけていた。

 そんな家に龍を迎え入れればお家復興だって夢ではない話だ。

 だから家の人達は皆浮き足立っていた。

 ただ、一人を除いては。

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