第十四話 王都襲来
短め。
「リュシア」
「はい!」
「魔獣って何だ?」
司は叫び声を聞いて走りながら聞いた。
「魔獣……うーん、魔力を持ってる獣……かな」
「魔力を持ってる獣かぁ。どういうのがいる?」
「無駄話しないでください。司」
「はいはい、アルベルト」
「というか、王都に近づくにつれ、逃げてく人が多くなってねぇか?」
「そうだと思います」
「多分、魔獣のせいだと思う。そろそろ王都だよ」
リュシアが言う。そして、王都の端についたら──……
「助けて! 痛い!」
この世界の住民は死なない。だが、痛みは感じる。死なないからどうでもいい、という人と、痛いから再生するとしても死にたくない、という人がいる。
「セイア! 避難誘導をしてくれ! 俺たちで対処する!」
「氷柱!!」
司が技を言った。そうしたら魔獣がいる地面から氷の柱が生成され、魔獣が上へと吹き飛んでいく。
「リュシア、この魔獣は?」
「ブラッドハウンドっていう魔獣だと思う!」
「んじゃぁ、戦うぞ」
「火球」
アルベルトが唱えたとき、アルベルトから火の球が敵に向かって飛んでいく。そうしてブラッドハウンドは燃えた……はずだった。
「再生……してる?」
何と、先ほど司が上へと吹き飛ばしたブラッドハウンドは再生していたのであった。
「アルベルト。上から攻撃してくれ」
「了解です」
アルベルトは飛び立って火球を放つ。
「炎牢」
そう唱えたとき、地面のブラッドハウンドの周囲が炎で包まれる。そしてブラッドハウンドは囲まれた。
「氷弾!」
「天風っ!」
司、リュシアが唱えたとき、天空から強烈な風と大量の尖った氷の弾が振ってくる。
### セイアside
「避難してください! ここは危険です! あちらへ!」
「お願いします!」
周囲は血まみれだ。それでも避難させる。それが私の役割だから。
「王都は今危険です。避難してください」
目の前の住民に声をかける。
「立てますか?」
「立て……ません」
「一緒に歩きましょう?」
手を差し出す。
「エルフが……触るな」
「ッ……分かり……ました」
「本気を出しましょうかね」
アルベルトがそう言った時、こめかみから後ろへと伸びる角が生えてくる。
「おお! さすが竜!」
「火球」
アルベルトはそう唱える。角が生えているため、威力は先ほどとは段違いだ。
「リュシアは俺たちを援護するか、住民を回復させてくれ!」
「分かった!」
「風航」
リュシアがそう唱えると、風がリュシアを押し、空を舞うように飛び始める。
「おお、すげぇ」
「司、戦闘に集中してください」
「分かってる!」
「聖天域」
そう唱え、住民たちを囲うように回復するドームを作る。
「氷槍!」
氷の槍を形成し、ブラッドハウンドへ向けて放つ。
「よっしゃぁ! 1キル!」
「司。逆に考えてみてください。今までこのように奮闘して、まだたったの1匹ですよ。相手の再生能力は底が知れません」
「正論やめて?」
「うだうだ言ってる暇もないですし、早く倒しますよ」
「おうよ!」
「竜爪」
「やっぱり回復が厄介だな」
「ですね」
ブラッドハウンドが住民にかみつき、血を吸う。そうして回復した。
「血を吸って……回復してる?」
「リュシア‼ 住民を避難させるの手伝ってくれ!」
「わかった!」
リュシアはそのまま住民を風で浮かせ、王都中央から離れたところまで運んでいく。
「血を吸ったら動きも強くなってやがる。アルベルト‼ 一匹も逃すな!」
「承知しました」
「氷柱」
### リュシアside
「セイアは住民の避難を、私は回復をする!」
「分かりました」
「治癒」
そう言って負傷者の体に手をかけると、体がみるみる再生していく。
「こちらに来てください」
そうやって回復した住民をセイアが誘導していく。
・・・
「なぁ、アルベルト」
「何ですか?」
「薄々思ってたけど、これって基本技じゃダメなんじゃ?」
「倒しても死んでなければ再生するし、血を吸われたら全回復+微量なステータスアップ」
「それもそうですね」
「これじゃぁ、きりがないよな」
「そうですね」
「なぁ、アルベルト」
「はい」
「次で、決めるぞ」
「承知しました」
二人は魔法を放つ構えをする。
「烈火雨!」
「氷刃雨獄!」
To Be Continued




