介護士は飛んでくる
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宰相一派は、死なない程度にボコられたおかげで正気に戻った。
そして自らの行いを深く反省した。操られていたとはいえ、クーデターはあまりにも重罪だ。
ちょうどその時、すぐ近くでドラゴンの気配が現れた。
「バカな……!?」
エルフの王は、探知魔法によって遠くでジャイロたちが戦っている気配を感じていた。そこにいるドラゴンの気配も。
「もう1体だと……!?」
この窮地に、宰相一派は喜んだ。
罪人として処刑されるのを待つより、ここで王の役に立って死ねる機会を得たことは幸運だ。単なる反逆者の大罪人として処刑されて死ぬのではなく、忠義と本心の潔白を示して死ぬのなら、ずいぶんと誇りや尊厳が守られる。うまくすれば家族に累が及ぶのを避けられるかもしれない。
「今こそ! 死して我らが忠義を示すとき!」
宰相は剣を抜き、握る手を顔の正面に置いて剣を直立させた。
捧げ剣。国家元首や死者、あるいは神に対して捧げる最上級の敬礼だ。
自分たちは操られていたのだ、本心では忠義を失っていないのだ、という事を神に誓って示し、王に捧げる。その決意の表れだった。
満身創痍で倒れていた宰相一派の貴族たちと兵士たちは、気力を奮い立たせて即座に立ち上がった。
気勢を上げて捧げ剣の姿勢をとる。彼らは自然と整列していた。
「…………。」
エルフの王は、黙って答礼した。
宰相は優秀な人材だ。他の貴族たちも。正気に戻ったのなら失うのは惜しい。とはいえ、国家反逆罪だから処刑より軽い罰にする事はできない。現状、彼らの処遇を少しでも良くしてやろうと思うなら、黙って見送るしかない。
死の行軍に出発した宰相一派が、文字通り血の海へと姿を変えるのには、ものの5分とかからなかった。虐殺を終えたドラゴンは、次に王城を破壊しようと、その巨大な爪を振り上げる。
城壁をも一撃で破壊するドラゴンのパワーで攻撃されたら、王城といえども倒壊してしまう。敷地内にいる者は、弾丸のように飛んでくる瓦礫に当たったり、崩れ落ちる瓦礫の下敷きになって、無事では済まないだろう。宰相一派が時間を稼いでいるうちに避難しようと王城から出た王と兵士たちだったが、もはや逃げる時間も場所もない。今まさに振り下ろされようとする爪をただ見ている事しかできなかった。
「どりゃあっす!」
ギリギリ間に合ったマクセンが、手榴弾を投げつける。
運のいいことに、それは電撃弾だった。ドラゴンの眼前で炸裂する電撃。魔法耐性が高いからダメージは通らないが、空中放電は強い光を伴う。その閃光に、ドラゴンはしばし視力を失ってうろたえた。
「ブラスト!」
アルテナが風の攻撃魔法を放つ。
防御結界で身を守り、俺はその攻撃を背中に受けた。吹き飛ばされて一気にドラゴンに迫る。
「はあっ!」
数の暴力。魔法で斬撃を増やす連続攻撃で、一気にドラゴンを両断する。
崩れ落ちるドラゴン。
しばしの静寂を置いて、目撃者たちが一斉に沸き立った。
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