介護士はまだ知らない
読んでくれてありがとうございます.+:。 ヾ(◎´∀`◎)ノ 。:+.
楽しんでくれると嬉しいです。
「獣人が責めてきた!?」
急報にエルフの王宮は騒然とした。
これまで両生類系の獣人とは良き隣人として仲良くやってきた。多少意見が対立することはあっても、軍事レベルでは小競り合いすら発生していない。平和すぎて治安維持部隊がだらけてしまうのが心配なぐらいだ。
そもそも両生類系の獣人とエルフでは住む場所が違う。だからお互いの生息圏に攻め込んでも、そこに住めるわけではないから、意味がない。
なぜ攻め込んできたのか、意味が分からず、エルフの王宮は混乱した。
「とはいえ、手をこまねいてはいられない。当該地域の領主たちに対応させよ。」
「それが……アン男爵とドゥ男爵でして……。」
エルフの王は頭を抱えた。
「あの2人か……。
うまくやってくれる事を祈るしかない。共通の敵を持てば野生動物でも協力するからな。」
「そう、うまくいくでしょうか……?」
「いかぬだろうな。
だが、そうであれば……もっと根本的な方法を考えるしかない。あの2人だけではないからな。」
子供じみた方法で対立しているのはアン男爵とドゥ男爵ぐらいだが、他の貴族たちも基本的に出世争いをしているのは同じだ。もっと陰湿な方法で、表向きは対立していないように振る舞いながら、裏では他者を出し抜く方法を考えている。
これらを全部まとめて改革するには……とエルフの王は頭を悩ませていた。
アン男爵とドゥ男爵の対立は、子供の頃から始まった。爵位は貴族の中でも一番下とはいえ、平民とは一線を画する。2人の両親は、貴族らしく振る舞えるように、平民のように無教養な振る舞いをして貴族社会で恥をかかないように、と子供たちを教育した……つもりだった。だが両家の子供たち2人は、どこで間違えたのか「自分は偉い」「他人とは違う」というプライドだけを肥大化させてしまった。
一応、目上の相手にはへりくだるだけの礼節を持っているものの、同じ男爵が相手ならいずれ自分のほうが先に昇進するものだと、根拠のない自信に満ちていた。そんな2人が出会ったら、対立するのは明らかだ。
結局2人は、そのゆがんだ価値観をそのままに大人になってしまった。そして両親が年老いて自分たちが家長になっても、なおその対立は続いているのだ。王はこのくだらない振る舞いに辟易しており、2人がどんな功績を挙げても、その性格が治らない限りは爵位を高めるつもりはない。そして2人はその事に気づかないまま、功績さえ出せば昇進できると思って手柄を奪い合っていがみ合っている。
「陛下からのご命令です。
獣人が攻め込んできた件について、当該地域の領主たちに対処させよ、と。」
「そうか。
ならばドゥ男爵には負けておれん。まずは足の速い部隊を先行させ、索敵と破壊工作を中心に、対処を開始せよ。」
「ドゥ男爵も部隊を出してくると思われますが……。」
「こちらが設置した罠にうっかり引っかかってしまうかもしれないな。
だが、それはドゥ男爵の兵士の練度が低いだけのこと。気にする必要はない。」
「陛下からのご命令です。
獣人が攻め込んできた件について、当該地域の領主たちに対処させよ、と。」
「そうか。
ならばアン男爵には負けておれん。まずは偵察部隊を先行させ、索敵と奇襲を中心に、ゲリラ戦法で対処を開始せよ。」
「アン男爵も部隊を出してくると思われますが……。」
「流れ矢に当たってしまう事もあるだろうな。
だが、不運な事故だ。どこでも起こりうること。気にする必要はない。」
かくして2人は今日もいがみ合う。連携とか協力とか情報共有とか、そういうのは2人の辞書には存在しない言葉だ。
読者様は読んで下さるだけで素晴らしい!(*≧∀≦*)b
評価とかブクマとかして下さった読者様、ありがとうございます。
作者は感謝感激しつつ、小躍りして喜んでおります。(o´∀`o)キャッキャッ♪
……と思っていたら、ブクマが減っていく!? な、なぜ……!?
・: *:・: *Σ (゜ロ゜;グハッ!!
削りまくって展開を急いだのが裏目に!?
オロオロ(゜ロ゜;))((;゜ロ゜)オロオロ




