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介護士は鍛える・その1

読んでくれてありがとうございます.+:。 ヾ(◎´∀`◎)ノ 。:+.


楽しんでくれると嬉しいです。

「まずは基礎体力の訓練からっす。

 やることは走るだけっす。俺は犬獣人のクォーターなんで、純粋な獣人の皆さんなら俺より速く走れると思うっす。だから『ついてきて』ってのは、ちょっと訓練にならないと思うんで、あそこに見える丘のてっぺんまで行って戻ってきてほしいっす。

 30分で何往復できるっすかね? そのあと5分休んで、また30分って感じでやっていくっす。俺も一緒にやるんで、皆さん頑張って欲しいっす。

 じゃあ、よーいどん!」


 そう言ってマクセンは走り出した。

 獣人の女性たちが後に続いて走り出すが、すぐにその足を止めた。


「……何あれ?」

「クォーターって事は、半分以上は人間だよね?」

「信じられない……。」


 馬獣人すら置き去りにして、マクセンは矢のように走り去った。

 丘の上まで走って、振り返ったマクセンが足を止めて驚いている。

 マクセンの全速力は、文字通り矢のように速い。音速を超える爆発からは逃げられないが、罠にかかっても発動する前に逃げ出せるレベルだ。獣人との比較としても、今まで何度か戦ってきたのだから、理解しているものと思ったが……そういえば正面から戦うよりも、走り回って手榴弾を投げるように頼むことが多かったな。

 俺はマクセンの足なら逃げ切れるからと思って頼んでいたが、あの様子だとマクセンは違っていたらしい。うまく相手の目を逃れて立ち回っていたから、とでも思っていたのだろう。

 心配なのは、これで獣人たちの心が折れないかという事だ。


「鍛えれば、みんなもできるようになる。」

「「いや、絶対無理!」」


 おっと。励ますつもりが逆効果だ。

 しかし無理だと思うから無理になる。

 できると思っても、すぐにできない事はある。だが、できると思って続ければ、いつかできるようになる。できるようになった人は、すべてそういう人だからだ。逆に、自分には無理だと思いながらできるようになった人はいない。ダメ元でやってみたら偶然うまくできたという事はあっても、それは再現性がないから「できるようになった」とは言えない。そもそも、無理だと思っていると、努力を続ける事ができない。そこまで気力が続かないからだ。

 できると思って続ければできるようになる。それは、できると思っている間は、努力を続ける事ができるからだ。


「よし、今『無理』って言った奴……いや、言ってない奴も全員、今から『できる』って叫びながら走れ。」

「「……はあ……?」」

「とにかくやってみろ。さあ走れ。」

「「できる! できる! できる! できる! できる!」」

「もっと信じ込め! できる! できる! できる!」


 後ろから追い抜いてやった。

 縮地という技がある。一瞬で距離を縮める謎の技術として描かれる事が多いが、正体は単純だ。1歩踏み込むときに、1.5歩の距離へ踏み込む。単に大きく踏み込むのとは違って、普通に踏み込むように見せかける。1動作の中に半歩の距離を追加できるので、間合いの取り合いでは大きな意味を持つ。

 体が沈むので、縮地の直後はしゃがんだような姿勢になる。次に動くときには、いったん体を持ち上げなくてはならない。だが、慣れれば2歩3歩と連続で繰り返すこともできる。体を持ち上げながら普通に踏み込み、普通に踏み込むと見せかけてそのまま縮地へ移って再び沈むのだ。

 居合の動きは筋力に頼らないので、種族的には獣人ほど速く走れない俺でも、縮地を繰り返すと驚くほど速く移動できる。加速魔法を使わなくても、鍛えていない獣人を追い抜くぐらいは簡単だ。今ならこの走り方でオリンピックに出られるかもしれない。


「でき……えええ!?」

「え……いや……え? あの人は本当に人間だよね?」

「信じられない……。」






 獣人には、大きく分けて5つの種類がある。

 1つめは、魚類系。海の中で生活しており、川や湖には居ない。海に面していないこの国では、魚類系の獣人には会えない。彼らは陸上では行動できないからだ。下半身が魚だから歩けないし、えら呼吸だから陸上では息ができない。

 2つめは、両生類系。川や湖の近くにいて、海には居ないが、非常に大きい水場を必要とするため、この国には居ない。大きな川や湖が形成されるには多くの降水量が必要であり、それが実際にあるのは熱帯地域だ。温帯地域にあるこの国には、彼らは住んでいない。

 3つめは、爬虫類系。乾燥した土地に住んでいるので、この国には居ない。南極は世界一乾燥しているというのは有名だと思うが、変温動物である彼らは寒すぎる場所には住めない。だから彼らが住んでいるのも熱帯地域だ。乾燥地域か湿潤地域かという違いがあるので、両者が遭遇することはない。

 4つめは、鳥類系。空を飛べるという利点を生かして、山岳地域に住んでいる。起伏の激しい土地を、その起伏を無視して移動できるのだから、生存戦略の上では大変な優位性だ。ちなみに、この国には居ない。山岳地域がないからだ。この国には、せいぜい丘しかない。

 5つめは、哺乳類系。この国には豊富に住んでいる。兎・猫・熊・虎・馬・犬のほか、鼠・タヌキ・豚・ゾウ・アルマジロ・猿・シカ・牛といった種族が存在する。


 そんな鼠獣人の村に、魔の手が迫っていた。

読者様は読んで下さるだけで素晴らしい!(*≧∀≦*)b


評価とかブクマとかして下さった読者様、ありがとうございます。


作者は感謝感激しつつ、小躍りして喜んでおります。(o´∀`o)キャッキャッ♪

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