介護士は新部隊の訓練を考える
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猫獣人の協力を取り付けたあと、今度は熊獣人と虎獣人に会いにいった。
「ああ、いいとも。世話になったからな。今度はこちらが助ける番だ。」
「これも償いになるだろうか。」
両種族とも快く承諾してくれた。
なので、その足で再び馬獣人の村へ戻った。
そこに犬獣人がいて、ようやく復調してきたところだった。事情を聞くと、やはり洗脳されていて、詳しい事は覚えていなかった。いつの間にか馬獣人を襲撃しなければならないという強迫観念みたいなものに囚われていたそうだ。
「そっちはどうだ?」
俺はアーネスやマクセンたちに尋ねた。
俺と馬獣人が他の獣人たちを回っている間に、人間から女の志願兵を募るように頼んでおいたのだ。
「1人も応募してこなかったな。」
「冒険者から兵士になろうっていう奴もいなかったっすね。」
「まあ、当然よね。」
さもあろう。今まで「兵士は男の仕事」としてきたのだから、急に「女兵士募集」なんて言われても、誰も立候補しないだろう。固定観念、今までの価値観というものは、それほど強力なものだ。すでに戦っている冒険者でさえ、「給料が安定する」とか言われても「自由がなくなる」と抵抗感をもつだろう。
「だが、獣人だけで構成しても、部隊が活躍すれば、考えを変える人も出てくるだろう。
たとえば『自分も活躍できるかも』とか『獣人に守って貰うだけでは情けないし』とかな。」
そこは、そう慌てる話ではない。
それよりも、人が集まったのだから、ちゃんと運用できるように体制を整えてなくてはならない。
「部隊編成とかは知識も経験もあるアーネスに任せるとして、訓練するには教官が必要だと思うんだが。マクセン、アルテナ。やってみるか?」
「え? 俺がっすか?」
「獣人に魔法を? 獣人は魔法が苦手だって聞くけど。」
俺は大きくうなずく。
「2人ともすでに、そこらの人間より高いレベルだ。警備隊に混じっても遜色なく戦えるし。
だから実力はある。
そして、人にものを教えるというのは、やってみると分かるが、自分のできていない所に気づくものだ。だから、教官をやってみれば、2人はもっと成長できるだろう。
それに、獣人は使える魔法が種族ごとに偏っているだけで、使えないわけではない。馬獣人から聞いた話だが、風魔法と土魔法が得意だそうだ。だから地上に葉っぱを出して風を受けるタイプの根菜……ニンジンとか大根とかを食べると活力が増すそうだ。」
どうだろうか、とアーネスを見ると、アーネスも大きくうなずいていた。
「私が馬術を、マクセン殿は基礎体力を、アルテナ殿は魔法を、ジャイロは剣術を教えて貰おうか。
もちろん冒険者ギルドを通して依頼を出しておく。」
「アーネスも?
警備隊はどうする?」
「どうせ元々抜けるつもりだったから、後釜は育ててある。彼に任せれば大丈夫だ。」
準備のいい事だ。素直に賞賛するしかない。
やった事がない事をやらせるというのが、会社などの組織で人を育てる方法だ。普通は、昇進が決まってから、新しい役職の仕事を覚えていく。だがもし昇進する前に、その仕事をすでに覚えていたら、非常に優秀な人物だと評されるだろう。
そのためには、上司の協力が必要だ。やってみろ、責任は俺が取る。そんな風に言ってくれる上司がいたら、やってみるべきだ。責任を持たずに、上の役職の仕事を覚えられる。ミスしても評価が下がらない。最高の環境だ。
そして、その挑戦に必要な事は、2つ上の役職の視点で考えることだ。平社員が係長の上の課長の視点で考える。そうすると係長が何をするべきなのかが見えて、係長としての仕事を覚える近道になる。訳も分からず「やってみろ」と言われた事をただ作業するのとは大違いだ。
……ふむ。この方法を訓練に取り入れられないものか……。自走式教育に明確な階級を導入すれば、昇進っぽい感じを演出できるか?
読者様は読んで下さるだけで素晴らしい。
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(((o(*゜▽゜*)o)))




