介護士は教えていた
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アーネスは犬獣人に襲われたという馬獣人の救援のため、警備隊を率いて出撃していた。
馬獣人は草原に住んでいて、農耕民族と遊牧民の中間のような生活をしている。つまり、複数の離れた場所に農地を持っていて、移動しながら畑を耕すのだ。人間でも畑は複数もつのが当然で、それは連作障害というのを防ぐために畑を休ませる必要があるからだ。
人間なら家から近いところに複数の畑をもつのだが、馬獣人の場合はあえて離れた場所に畑をもち、定期的に民族大移動をする。馬獣人にとって、その移動こそが重要なのだ。馬の部分をもつために馬獣人は体重が重く、かなりの運動を必要とする。大移動は馬獣人にとって必要な運動であり、馬の部分を鍛える訓練なのである。
だから、馬獣人の村は、防御のための設備がない。アーネスたち警備隊が村に到着した時、そこは死屍累々だった。
「すぐに負傷者の治療を!」
アーネスは指示を飛ばし、負傷者の治療やら救助やらを始めた。それが落ち着くと、持ってきた食料を放出して炊き出しを始めた。
傷が治って動けるようになった馬獣人たちは、この炊き出しを喜んだ。彼らの家はテントのような簡単な構造であるため、犬獣人の襲撃で壊されてしまったからだ。
炊き出しが終わると、次にアーネスは壊された家の修理を命じた。人間族には馴染みのない構造だが、まずは2個分隊10名が、馬獣人に教わりながら1つのテントを修理して、それが終わると最初の10人は特務隊長としてそれぞれが10人を率いる。これで100人がテントの修理を覚えた。その100人に10人ずつを任せれば1000人がテントの修理を覚える。まあ、警備隊にそこまでの人数はないが。
この方法は、あらゆる組織を「自走式に成長させる方法」である。店長が店員に仕事を教える時も、教わった店員がまだ教わってない店員に教えていくことで、店長は1つの仕事を1人に教えるだけで全員に教えられる。しかも、この方法のメリットは、教える役割になった者が、単に教わるだけで終わるよりもしっかりと、かつ素早く覚えられるということだ。
人間は、インプットよりもアウトプットのときのほうが、実は物事を覚えやすい。10教わっても8忘れるのが人間だ。しかし、10教わってそれを他人に教えると、忘れるのは2だけで、8は覚えていられる。
だから、この方法でテントの修理を学んだ警備隊は、ほとんど間違えることなく修理を進めていった。
「なんて物覚えのいい連中だ。
普段から見慣れてる馬獣人でも、テントの作り方を覚えるには何年かかかるのに。」
驚く馬獣人たち。その声を、聞いてないフリをしながら、アーネスは心の中でニヤリとしていた。
これは警備隊の訓練を見ていたジャイロから助言を受けて取り入れた方法なのだ。ジャイロは「人間がきちんと見てられるのは8人までだ」とも言っていたが、そこは残念ながら軍の仕組みなので変更できなかった。
それから3日で、警備隊は馬獣人の村をすっかり元通りに直してしまった。
そしてーー
「敵襲! 敵襲だ! 犬獣人がまた攻めてきたぞ!」
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作者は感謝感激しつつ、小躍りして喜んでおります。(o´∀`o)キャッキャッ♪




