介護士はニンジンを貰う
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楽しんでくれると嬉しいです。
「マタタビじゃないニャ。」
「いや、マタタビの仲間だ。」
「本当かニャ?」
匂いをかぐ猫獣人。
その顔が、みるみる驚きと喜びに変わる。
「本当ニャ!」
「簡単に栽培できるらしい。買うよりも、自分たちで作ったらどうだ?
果実は生でも食べられるし、売ることもできる。」
収穫してから1~2ヶ月ほど熟成させないと食べられない。追熟という。
で、この1~2ヶ月の追熟というのが重要なポイントだ。この世界にはクール便とか冷蔵庫とかは存在しないので、野菜などの「食べられる状態で収穫するもの」は日持ちしない。朝市で買った野菜は、各家庭で水瓶に沈めたり日陰に置くなどして保管される。特にトマトなどの果実や、レタスなどの葉物野菜は、水につけておくと冷蔵庫より長持ちする。といっても、せいぜい1週間だが。
それに比べると、キウイフルーツは1~2ヶ月という長い追熟が必要で、この期間はただ置いておくだけでいいので、輸送する時間としても使える。トマトも、家庭菜園なら熟してから収穫するが、出荷している農家だと青いうちに収穫する。追熟にかかる時間は数日だ。そうしてみると、キウイフルーツはトマトよりも遠くまで運べるという事になる。
開拓村でキウイフルーツがどう扱われているか知らないが、生食用に売っているとしても、遠くまで運べて広範囲に売れるから、猫獣人村と競合して困るような事にはならないだろう。
「なるほど! いいこと聞いたニャ!
で、苗はあるかニャ?」
「貰ってきたっす。」
「やったニャ! さっそく栽培するニャ!」
猫獣人は兎獣人を放り出して、キウイフルーツの苗を大事そうに運び去った。
なんとも猫っぽい気性だ。
俺は放り出された兎獣人の拘束を解いた。
「助かりましたぴょん。お礼に、これあげるぴょん。」
そう言って、兎獣人は胸の谷間からニンジンを取り出した。
なぜそこから……。
いや、まあ、確かに胸は立派だが……兎は多産の象徴だったか。むっ? アルテナがジト目で見ているようだ。
「うちが丹精込めて作ったニンジンぴょん。」
「作ったのか。」
ニンジンの良し悪しなんて分からないが、色つやのいいニンジンだ。現代日本のスーパーで売っていてもおかしくない。いや、それよりも綺麗な感じだ。なんというか、オレンジ色の輝きが強い。
しかし、なぜ胸の谷間から? いや、もう考えたら負けだ。だからアルテナ、そんなに怖い顔をするんじゃない。
「ゴーファ公爵にも売ってるぴょん。」
「え?」
「公爵から王宮に流れてるぴょん。」
「は?」
「うちのニンジンは高級品ぴょん。」
「マジで……?」
どうやら凄いニンジンらしい。
ニンジンなんて貰っても……と思ったが、これは意外と凄いお礼を貰ったかも知れない。
読者様は読んで下さるだけで素晴らしい!(*≧∀≦*)b
評価とかブクマとかして下さった読者様、ありがとうございます。
作者は感謝感激しつつ、小躍りして喜んでおります。(o´∀`o)キャッキャッ♪




