介護士はチャンスに気づく
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「どこへ行っていたんだ!?」
ギルテールの街に戻ると、アーネスが泣きそうな顔で待っていた。
いやいや、普段はアーネスのほうが出撃しっぱなしで居ないじゃないか。今回たまたま俺がちょっと不在にしたからってなぜそんな非難されないといけないのか。
……と、そんな風に考えたとしても、それはぐっと我慢するべきだ。人間関係を良好にして、自分の人生を豊かに幸せにしたいなら、口から出す言葉はすべてポジティブなものにするべきだ。ネガティブな感情をなくす事はできなくても、表に出さないように振る舞うことはできる。
「どうした? 何かあったのか?」
「父上が誘拐された!」
中世ヨーロッパの格言に「釣りに行くにも鎧を着て行け」というのがある。
治安が悪くて貴族が盗賊に誘拐される事が多かったらしい。身代金は全財産。生き延びるために支払って破産した貴族も多いらしい。
だが、今回ゴーファ公爵を誘拐したのは、盗賊ではなくテロ集団「蛇」だった。
「確かなのか?」
「誘拐犯と交戦して、一部を捕らえた。」
「で、尋問したら『蛇』だったと? 公爵の行き先は?」
「それは分からない。捕らえたのは洗脳されていたメンバーだった。
これまでも洗脳直後の記憶が消されていて本拠地が分からなかったが、今回もそういう事だ。どうやら最近洗脳されたばかりで、洗脳直後に今回の誘拐を命令されたらしく、思い出せないそうだ。
こうなると、本拠地を知っているのは、洗脳されていないメンバーだけだな。」
洗脳されていないメンバー。
確かに、洗脳されたメンバーばかり相手にしてきたが、洗脳されたということは、洗脳した奴が居るということだ。魔法をたくさん覚えた俺にも、洗脳なんて魔法は使えない。魅了なら使えるが、洗脳は魅了とは違う。
魅了の魔法は、相手の感情をコントロールする。興奮剤みたいなもので、術者に好意を向けさせる。だがその好意がどういう形で表現されるかは分からない。極端な話、ストーカーやヤンデレ状態になってしまう可能性もあって、俺は使う気になれない。また、魔法である以上、射程距離から出てしまえば効果は消える。
だが「蛇」の洗脳には、射程距離がない、もしくは魔法では考えられないほど長い。そして全員が同じように行動する。まるでロボットのように。これは魅了とは明らかに違う。感情ではなく、思考をコントロールしているという事だ。
では、どうやってそれを実現しているのか? 方法は不明だが、そう誰にでもできるような事ではないはずだ。限られた人物にしか実行できないのだろう。複数存在する可能性もあるが、少なくとも洗脳する側の人物を排除すれば、洗脳によってメンバーを増やすのを防ぐことができる。そうすれば、あとは地道にメンバーを減らしていける。いつかは「蛇」の全滅にたどり着けるだろう。
「公爵は心配だが、『蛇』を潰すチャンスだな。
公爵が連れ去られた先は分かるのか?」
「大丈夫だ。追跡させている。」
「よし、行こう。」
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作者は感謝感激しつつ、小躍りして喜んでおります。(o´∀`o)キャッキャッ♪




