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一日一詩  作者: 時ノ宮怜
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剣雨

 落ちてくる

 空から、落ちてくる

 決して多くはないが、

 その一つ一つが大きい雫

 光を纏って落ちてくる

 宙に残光を刻みながら落ちてくる


 薄い雲では隠し切れない陽が

 雫に反射して光そのものが落ちてくる

 それはまるで、達人の一振り

 ただ、光の線が目に残るだけの絶技


 地に落ちる音は鈍重で、

 耳を掠めるそれは、鋭く風を切る音

 決して土砂とは言えない、途切れ途切れの雫

 しかし、それは絶え間のない一閃

 降り注ぐそれは自然の刃のようだ


 石すらも断つ、自然の刃は

 振り続ける

 まるでその刃の担い手が満足していないかのように

 このまま振り続けたらこの刃は何を断つのだろう


 石を断つ

 道を断つ

 建物を、街を断つ


 人を断つ

 生き物を断つ


 地を断つ、風を断つ

 空を断った


 幾星霜と時を重ね、

 それでもなお振り続けたのなら

 自然に断てぬものなし

 世界すらを断つかもしれない


 なんて夢想する

 大きな雫の雨はもうじき止むだろう

 薄い雲の切れ間から、空が顔を出している

 明日はきっと晴れるだろう

雨垂れ石を穿つ

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