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一日一詩  作者: 時ノ宮怜
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言樹

 ざわめく

 樹が鳴く

 私の心に根を張る

 私の思いに枝を伸ばす


 言の種を落とし

 言の芽を出し

 言を育み

 言の葉が茂る


 風が吹く、葉が奏でる

 私の想い

 私の心

 樹がざわめく

 私の心のように

 言の葉が舞う


 葉が枯れる

 葉が落ちる

 言は尽き

 音のない冬が訪れる

 葉は、人知れず地に帰り

 根に力を与えていた


 青い言葉が毒をもつ

 言の葉から滴る毒は

 幹を伝い、蝕み、

 時に直接落ちて、

 地に染みて

 根から吸い上げる


 樹は枯れ、想いは死ぬ

 私は孤独、毒にやられて倒れる


 樹は倒れ、長い冬がやってくる

 新たな出会いが眠る冬があった、

 私はまだ寒い

 茹だるような暑い冬があった、

 私はまだ寒い

 彩り豊かな冬があった

 私はまだ寒い

 凍えるような冬があった

 寒い


 何度もいろんな冬があった

 私はずっと寒い


 ふと、いつのまにか隣に大きな樹があった

 いつから、いや最初から、


 種が一つ落ちて転がる

 枯れ果てた地に、

 雨が降る

 心の雨が

 芽が出る


 育み、威容を取り戻す

 言の葉をつけた

 言の樹


 私のいる

 言の森

言の葉とはどんな形をしているのでしょう、

広葉樹のように大きく、広がって暖かな形でしょうか

針葉樹のように鋭く、強く冬を耐えるような形でしょうか

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