脱皮
メアリーの鑑定してもらい(なぜいたのかは気にしないことにした)ディアとピアーズが50を超えていたので協会に向かうことにした。
協会は様々な像にスタンドグラス、豪華な装飾品に彩られていた。
「何かご用ですか?」
シスターの恰好をした女性が近づいてきた。
「2人をクラスアップさせたいんですが・・・」
「鑑定書はお持ちですか?」
「うむ」「はいっす」
2人はシスターに鑑定書を渡した。
「ではこれを」
シスターが渡してきた紙には長々と書いてあったが要約すると1人につき、5000ファー寄付をしろと書いてあった。結構するな。まぁオロチからの遺品を売ったから、問題はないけど。
「じゃあこれで」
俺は1万ファーを支払った。
「ではこちらに。ところでそのロザリオどこで手に入れたのです?」
シスターは俺のことをチラチラと見ていた。
「これはある女性から貰った(?)ものなんです」
このロザリオ、有名な品なのか?
「・・・なるほど」
「このロザリオを知っているんですか?」
「協会にいる者ならアネットを知らない人間はいませんよ」
このロザリオ、アネットという名前なのか。
「・・・協会に渡せって意味ですか?」
「いえ、そういう意味ではないのでお気になさらず」
はぐらかされたが変に追及すると厄介なことになるかもしれなかったのでやめた。
「では、クラウディア・ローレルさん、像の前へ」
「うむ」
ディアは像の前に跪いた。
「聖母パクシリアよ。この者に祝福を」
ディアの周りが光り、消えたらディアは戻ってきた。
「次にピアーズさん」
「はいっす」
ピアーズもディアも終わり協会を出た。
「くぅーーー。念願のクラスアップっす」
念願のクラスアップをしたピアーズはすごく嬉しそうだった。
「何になったんだ?」
「【斥候】になったっす」
斥候・・・偵察とかができるようになったのかな?
「私は【騎士】になった」
ディアはそのまんまだな。
「あ、おーいショウじゃないか」
振り返るとディックとキャシーがいた。
「知り合いっすか?」
「ああ。ニースで一緒に戦った仲だ」
俺たちは2人に近づいて行った。
「ディック、キャシー、彼女はクラウディア・ローレルとこっちはピアーズ、俺の仲間だ」
「嬢ちゃんの方は知っている熱い抱擁していたからな」
「なっ、抱擁なんかしていない」
ディアは真っ赤になりながら、否定した。
「ディック、からかってはだめよ。私はキャシー・リード【炎術師】よ。よろしくね」
「俺はディック・バーン。【軽装剣士】だ。誰がクラスアップしたんだ?協会から出てきたってことはクラスアップしに行ったんだろ」
「ああ、この2人だ」
「2人同時にやっちまったのか?」
すると、2人は苦笑いした。
「ああ。その通りだが・・・」
何かまずいことでもやったのか?
「あーやっちまったか~」
「?何まずかったのか?」
「あのね。クラスアップすると新しいアルスも習得できるし、加護の力も上がるメリットがあるのだけど・・・」
「デメリットもあってレベルが1に戻っちまうんだよ」
何?それはかなりまずいのでは?
「ステータスの値の3分の1くらいに下がるの。だからパーティやクランは1人ずつクラスアップさせるのが普通なの」
「だからクラスアップのことを巷じゃ『脱皮』って言うんだぜ」
強くなるために弱い期間がある・・・なるほどたしかに『脱皮』だな。
「まぁ、初心者だけでやってるパーティではよくあることだよな~」
や、やばいここいらへんのモンスターはそこまで弱くなかったなのに2人が3分の1になったのは詰んだじゃ・・・
「しかたねぇ。リーダーちょっといいですか」
リーダーと呼ばれた男は茶色の髪、赤い目の長身の男だった。
「どうした?」
「この子たち2人同時に『脱皮』させてしまって困っているみたいなのでしばらくついていてあげてもいいですか?」
「・・・いいぞ」
「本当ですか?」
「2,3日は自由にしていいぞ。今は重要な手がかりもないしな」
重要な手がかり?何かを追っているのか?
「ということでお前たちの護衛を引き受けてやるぜ」
「報酬はちゃんともらうわよ」
「ちなみにどのくらい?」
「まぁ、護衛期間中の飲食宿泊代かな?」
「それだけでいいのか?」
「なんだ?もっと貰っていいのか?お前ら、クラスアップで金欠だろ?だからそれだけでいいぜ」
「了解した」
「じゃ、これからよろしくな」




