12話 青い鳥と青い竜
次の日、朝起きると、コバルトは早速ライトに色々と魔力と闘い方のことを聞いた。羽の使い方はできるようになったし、空も飛べるようになったので、とにかく早く魔力を使えるようにしたかった。
「まあコバルト、待て待て。今日は特別に助っ人を呼んであるからそいつに稽古をつけてもらえ。俺は見ての通り小さいしな」
どうやらライトが魔力や剣の使い方を教えてくれるわけではなく、誰かを呼んでいるようだ。そして朝ごはんを食べ終え少し経つと、ライトの家に一人の訪問者がやってきた。
「ライトー、呼ばれたから来てやったぞ。コバルトはいるかー?」
そう、訪問者というのはシアンのことだった。シアン、大柄なリザードマンで身長は2m以上あるだろうか?巨漢だった。コバルトは176cmくらいだったので、一回り大きかった。
「ああ、シアン、よく来てくれた。コバルトに剣の使い方と魔力の使い方を教えてあげて欲しいんだよ。実戦は俺よりお前の方がいいだろう。」
「よしわかった。じゃあ、コバルト、俺と今から少し剣の稽古をつけるか。これを使え。」
シアンがそう言ってコバルトに剣を渡す。もちろん模擬戦の時に使った。模造刀だ。殺傷能力はないが、頑丈そうな剣だ。
「さて、コバルト、俺に打ち込んでみろ。もちろん、殺す気で構わん」
シアンがそういうと、コバルトは本気でシアンに剣を振り下ろした。そしてシアンはコバルトの剣を受け止めると、その威力に驚いた。
(な、なんだこの力は?これは鳥族の力ではない。なるほど、これならネイビーがあれだけ本気にならなきゃ勝てないわけだ)
シアンはそう思うとコバルトに今度は打ち返す、コバルトはシアンの剣を受け止めるめ、互角に剣で打ち合う。
(シアンは手を抜いているのか?いや、違う、全力でコバルトを殺そうとはもちろんしていないが、手を抜いているようには思えない。コバルト、まさかここまで)
ライトが二人の打ち合いの様子を見てそう悟った。そして二人の剣技が互角になっていくと、シアンがかなりムキになって、コバルトに打ち付けると、コバルトは剣を落として倒れ込んだ。
「ああ、すまん、コバルト、つい本気になってしまった。大丈夫か?」
「大丈夫だ、まだ続けてくれ」
その日、長い間コバルトはシアンと剣の打ち合いを続けた。シアンはコバルトの剣技の威力と正確さにほとんど手を抜けないくらいになっていった。まさかここまで強かったとは。
「コバルト、お前の剣の腕前はわかった。お前はかなり素質がある。あとは実戦で磨くだけだな。あとは魔力のことを教えよう」
シアンはそういうと、何やらどでかい刀を二本持ってきた。それは薙刀のような形をしていた。
「これは俺の武器、青竜刀だ。俺の異名は青竜刀のシアン。今からこれを魔力を使って強化する」
シアンがそういい、刀を手にすると、グンと何やら気を込めた。そうすると、刀の周りに何やら青いものがまとわつき、刀をコーティングしたようになった。
「えと、それは?」
「これが青魔法さ、青魔族だけが使える唯一の魔力、そして俺が使える青魔法は水。まあライトと陛下以外は全員水なんだけどな」
「青魔法?青魔法は『おぼえたわざ』じゃないのか?」
またコバルトは自分でも意味不明な言葉を発したと思った。シアンはえ?という顔をしていた。おぼえたわざ?一体それはなんだ?
とりあえずコバルトの意味不明な質問は置いておき、シアンはそのまま続けた。水が剣に纏わり付き、剣をコーティングしている。これによって、剣の切れ味もあがり、そして魔力を直接相手に与えることができるようだ。
「魔力は様々な形で形成することが可能だ。しかし青魔族は主に水を使う魔族だ。水を武器にすることが最も戦闘に役立つ。さて、コバルト。お前もやってみろ」
シアンがそう言ってコバルトに模造刀を渡す。コバルトは体の中に流れている魔力を剣の先に纏わり付かせるようなイメージで集中して放出する。そしてあっという間にシアンと同じように魔力形成ができ、コーティングすることができた。
(たった一回、教えただけでこうもできるようになるとは。こいつ、何者だ!?ホントに)
シアンはコバルトのレベルに本当に驚いた。ここに来てまだ三日目の魔族にここまでできるようになるとは。その恐るべき成長スピードにコバルト自身も驚愕していた。




