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人のいないこの星で  作者: K.タロー
一章 一人と一羽と一体と
10/19

鳥型は飼い主の元へ行く

砂嵐が止むと鳥型は早速ビルから飛び出し、キレイな建物へ向かう。その間に下方をこまめに確認し“ヒトガタ”がいないかを探す。


空を飛ぶなか、再び鳥型は考えをめぐらす。

もし仮にダレカに飼われることが自由を失うことならば自分はヒトガタを探すのをやめた方がイイのだろうか。


そう考え、鳥型は様々な思考をめぐらせ様々な考えを頭の中に浮かべる。ヒトガタとの関係を改めることや別れを言い去るという選択、もしくは別れすら言わずにこのままどこかへ飛んでいく、そのほかにも様々なことを考えたこととは思うが鳥型は結局ヒトガタに合流をするという決断を選ぶことはできなかった。

鳥型自身の満足のいくような回答は得られず胸にモヤのかかったような気持ちになる。しかしそれでも鳥型は思考をめぐらす間にヒトガタを探すこと自体をやめることはなかった。。


しばらく飛びキレイな建物に近づきもう少しで到着というとき、鳥型は下方に二つの影を見る。一つはヒトガタのもの、もう一つはアダムであるが鳥型は当然覚えがなかった。

気配に気づいたのか鳥型に手をふるヒトガタ、その行動で鳥型はようやくヒトガタのもとに下りる決心がつく。


「良かった。戻ってきたのか、心配したってことでいいのかね?まあ戻ってきてくれてよかったよ。」ホーンは心配していたよ、というにはまだ鳥型との中も深くなっていないのではないかという考えが浮かび心配の気持ちを確認するような言い方をし、心配した事実を照れ隠し的な表現で鳥型に伝える。

「コレはナンだ?この機械は?」そのような気配りを気にも留めず、“ヒトガタ”の横にいる何者かを“ヒトガタ”に尋ねる。

「私は疫病対策局支援ユニットのアダムの13号機です。よろしくお願いします。」しかし鳥型の質問にアダムが代わりに答えた。

「今朝話した建物に行きたいっていうから案内するのさ。お礼に食べ物もくれるらしい。」ホーンは代わりにアダムの目的とそれを行うことの理由を伝える。

「大丈夫なのか?」鳥型は警戒心を端的に表現した言い回しをアダムにも聞こえるにも関わらず何のためらいもなく“ヒトガタ”に尋ねる。

「安全性であれば問題ありません、殺傷を行おうとしている機械は故障しています、私は定期的な」

「大丈夫だ、そんな細かい説明されなくたって信じるからな?だろ?」ホーンはアダムの面倒になりそうな音声を遮り、急ぐように鳥型に同意を求める。

「ペットは飼い主のコトを信じるものだ。」それに対して鳥型はただそう返事をするだけだった。


 そのようなやり取りを経て彼らはまもなく例の建物に到着した。

「ここは期待に添えるような建物だったか?」建物の内部、受付と思われる場所に入りながらホーンはアダムに尋ねる。

「見たところ保管庫の類に見えますが、データベースにアクセスしてみましょう、それでここがどのような施設かはっきりします。」アダムは自身の腰部のケーブルを引っ張りコンピューターと思われるものに接続する。


アダムが情報を閲覧している間手持無沙汰なホーンはあたりを調べる。埃をかぶった受付には白骨化した人間の遺体があった。さらに周辺を調べると白骨化した遺体が様々なところに転がっていた。死体が放置されているということは街が放棄されてから死んだのだろうか。などとホーンは状況から思考をめぐらす。

一方で鳥型はちょうどよい止まり木の代わりを探し止まっては飛び、また他のものにとまっている。

「なるほど、ここは面白いところですよホーンさん、ここは保存室ですよ。」コンピューターに体を向けたままアダムはホーンに声をかける。

「いったいどういうところなんだ?」

「直接見てもらった方が早いです。今ロックを解除しますから待っていてください。」

 アダムに分かったと返事をする。しかしその間にすることも特にないためホーンはロックが解除されるまでの時間を鳥型のように休み待つのだった。

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