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第422話 復讐(5)
あの日の俺は、何故か今川家氏真のリフティングをする美しい姿を見て、声をかけ、口を開いた。
「何故お前はサッカーをしないのか?」と尋ねてみた。
――そう、あの時の俺は、ただの復讐鬼ではなかった。
憤怒の炎に燃えながらも、どこかでアイツの無邪気な笑顔や、ふと見せる弱さに心が揺れていた。
俺が前世で習った桶狭間の戦いの前夜は、こんな感じだったんじゃないかな?
だってあの日の今川館の庭の午後は、まるで時間がゆっくりと溶けていくかのように静かで、しかし俺の胸の中は嵐のように荒れていた。
庭の緑は陽光を浴びてキラキラと輝き、風に揺れる紅葉の葉がカサカサと軽快なリズムを刻む。




