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第374話 俺の本命様(3)
だからだろうか?
いつもの俺なら、緩みきった変顔で苦笑いを浮かべるところだが、その日は違った。薄笑いも、いやらしい微笑みすらも、心の奥底からすっと消え失せていた。
まるで心の奥にぽっかりと穴が開き、冷たい霧がじわじわと広がっていくような感覚に襲われていた。
そう、俺がイケメンたぬき顔で氏真を褒め称えたその瞬間、今川氏真は夕日に照らされて茜色に染まるのではなく、淡い桜色に頬を染め、まるで春の柔らかな風に揺れる花びらのように、照れくさそうに俯いた。
その姿はまるで、乙女が初恋の痛みを胸に秘めるかのようにいじらしく、しかし自分が俺にデレたことを悟るや否や、冷たい冬の風が吹き抜けるように、ムッとした表情で不快感を募らせるいつもの雪女へと戻った。
(お願い)
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