第1話 プロローグ(遠い過去の甘い思い出?)(1)
《ポコポコ》
青空はどこまでも澄み渡り、陽光はまるで黄金の絨毯を大地に敷き詰めたかのように輝いていた。
そんな無垢な空の下、僕は馬の背に揺られながら、幼い頃の甘く切ない記憶を鮮やかに思い出していた。
馬の蹄が地面を打つ音がリズムを刻み、その音に乗って鮮やかに蘇るのは、ひときわ麗しい少女の笑顔と澄んだ声……。
その少女、吉姉さまとの会話は今も僕の胸に深く刻まれている。
「おい、竹千代!」
「……ん、何、吉姉さま?」
「アーシは大人になったら岐阜という国を作って天下人になろうと思うの。竹千代、その時はアーシの家臣になって、牛馬のように働きなさいよ。わかった?」
「うん、わかったよ、吉姉さま。僕は吉姉さまの一番の家臣になるよ! そして敵の大将に一番槍を突き立てて、武功を立ててみせる。吉姉さま、任せて!」
幼い僕は、青空の下で麗しい少女の夢を、僕の腕一本で叶えてみせると威勢よく誓ったのだ。
だが、その誓いはただの幼い夢物語では終わらなかった。
僕の胸には、彼女への熱い想いと、未来への決意が渦巻いていた。
吉姉さまの瞳は、まるで透き通る湖のように澄んでいて、その中に映る僕の姿を見つめていた。
彼女の声は甘く、しかしどこか強さを秘めていた。
「竹千代、あんたは本当に私の盾になってくれるの?」
僕は馬のたてがみに手を伸ばし、強く握りしめながら答えた。
「もちろんだ、吉姉さま。俺はあんたのためなら、どんな敵でも斬り伏せてみせる。青空の下で誓ったこの約束、絶対に守るからな」
風が頬を撫で、遠くで鳥の鳴き声が響く。
戦の影はまだ遠いが、僕の心はすでに戦場の真ん中にあった。
幼い頃の甘く切ない記憶は、今も僕の胸を熱く焦がし続けている。
――あの日の約束は、ただの夢物語じゃない。
僕の未来を決める、熱い誓いだった。青空の下、僕は彼女のために、どんな敵でも斬り伏せると心に誓った。
あの澄んだ瞳と甘い声が、今も胸に響いている。
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