ダンジョン依存症?
(おぉ。この人、すごい守りが硬いな。Cランクどころか、もっと上のところでも、余裕で通用する硬さじゃないだろうか……?)
ユーマの配信を見ながら、マモルの戦い方に影山は関心した。
大きな盾を武器に前へ素早く出て、槍と盾の武器を使ってくるリザードマンを相手に、ターゲットをしっかり集め、安定してガードしている。
おかげでユーマは後衛から、氷の攻撃魔法を放つことに専念することが出来た。
しかしCランクダンジョンということもあって、リザードマンは盾でマジックガードをしたりと、戦闘時間はやや間延びしている傾向がある。
この辺りは2人なので、仕方ないのかもしれない。
リザードマンを何体か撃破し、周りに敵がいないのを確認した後、ユーマは話を切り出した。
「驚いたぜ。すげえ防御力だな、マモル先生。リザードマンの攻撃にビクともしねぇ」
「ああ。守りは任せてくれ」
「けど、カウンターとかはあんましないのな。武器も盾だけだし。守り重視のスタイルってことか?」
「あー……まあ、な」
「なんだよ、言いづらそうに」
「俺は、かなりピーキーなステータスをしているんだ。攻撃力は、たった9しかない」
「9!? めちゃくちゃ非力じゃねーか……」
『ひっく』
『そんなステータスあるのかよ』
『これがマモルさんです……』
『でも、守りはすでに上位探索者レベルだよな』
『極端な性能だなぁ』
体が大きいのに、ものすごいギャップであった。
「ああ。守りには絶対の自信があるんだが……ダメージソースとしては、期待しないでくれ」
「りょーかい。って言っても、俺も火力は自信ねーんだよな」
「有名だったから、配信は見たことあるが。ユーマくんはどちらかというと、オールラウンダーといったところかな?」
「まぁな。回復魔法とかも多少はできるくらい、色々出来るんだけどよ。秀でたものがあるわけでは、ないんだよな」
「だが、ユーマくんはよく周りを見ていて、立ち回りを変えてくれる。パーティーを作ったら、リーダーポジションが良いかもしれないな」
ユーマは前のパーティーだと、リーダーポジションではなかった。
なので、そういった立場に憧れが少しある。
「俺がリーダー……へへへ、いや~、まあ、その時に集まったメンバーがどうしてもって言うなら、やってあげてもいいかもなぁ~。ちょっと嫌だけどさ~!」
『めっちゃやりたそう』
『嫌だけどさ~(嫌じゃない)』
『チョロいな……』
『でも実際、即興のニキとも連携とれてたしね』
『ネオファンキングがリーダーのパーティーかぁ』
壁破壊ニキ『応援してます』
『っ!?』
『ニキさん!?』
『ニキも見に来てたのか』
お、とユーマは声を上げた。
「サンキュー、ニキ。また会おうな!」
☆
夕食を摂り終えて、19時を過ぎた頃。
タワマン利用者が扱えるトレーニングルームへ行き、素振りやドライファイアをして鍛錬をしていく。
戦闘をイメージして体を動かすたびに、武器を操作する感覚が神経に染みわたっていくような、心地の良い感覚だ。
スポーツの試合と基礎練習の違いのごとく、こういった動作の練習も重要だと影山は考えていた。
実践で積める経験と、現場を離れてコツコツ練習して得る経験とは、性質が異なっている。
「ふぅ……なんだか、休んでいてもダンジョンのことばかり、考えてしまう」
午前は飛行と道具の調整。その後は休んだり、ダンジョン配信を漁り、夜は黙々とトレーニング。
そして気がつくと、ダンジョンへ潜りたいという欲求が湧いてきた。
「モンスター狩りたいな……戦いたい……」
バトルジャンキーな影山であった。




