透視能力LV2。部位情報が見えるようになる。
まずは昨日同様、1体のゴブリンと戦ってみる。
透視の能力を発動させ、岩陰から銃を撃つ。
腕が軽く跳ねる反動。
“点”は胸の中心にあったが、青い弾丸はゴブリンの顔をかすめて、砂壁へ命中。
ゴブリンは怒ってこちらへ近づいた。
「……」
パン、パン、と二発発射。
しかし弾丸はいずれも回避されてしまう。
『下手(笑)』
『練習が必要そうだね』
仕方ないので接近戦へ。
発動時間になった時、武器の破壊を狙ってガンブレードを振るうも、外す。
下がって、相手の攻撃を刃で防いだりしつつ、クールタイムの時間を稼ぐ。
そうして3度目の発動で武器を破壊し、ゴブリンを撃破した。
「……はあ」
思わず、ため息がこぼれる。
自分の戦い方が未熟なのはそうだが、もう少し透視能力が使いやすくならないだろうか。
そんなことを思った時であった。
ジジジ、と影山の両目が熱くなる。
「っ」
影山はその場で目をつむり、片手でこめかみをおさえる。
『どした?』
『大丈夫?』
コメント欄に心配されるも、システム音が良い知らせをくれた。
偶然にも、透視スキルのLVが上がったのだ。
影山はステータスをオープンして、視聴者にも進化した透視能力の説明を見せた。
透視 LV2
あらゆる現象・物体の欠点を“見抜く→分析”し、可視化する。
クールタイム20秒。効果時間は“1→2”秒。
『効果時間伸びた』
『2秒かぁ』
『まあ、多少は当てやすくなる……のか?』
『分析って言いまわしになっているね』
「……次のゴブリンで試してみます」
10分ほど歩き、再びゴブリン1体と遭遇。
岩陰に隠れつつ、ウロウロするその体に目掛け透視を発動させた。
青白い線と点が胸の中央にそこまでは同じだ。
しかしそこに、吹き出しメッセージのような形で説明文が追加されるようになっていた。
【胸】 生物の急所。大ダメージ追加。
他には、足と手、頭に“赤い点と線”が浮かんでいる。
【手】 生物の精密動作を司る部位。攻撃ダウン付与。
【足】 生物の走行を司る部位。俊敏ダウン付与。
【頭】 思考、生命維持を司る部位。混乱付与。
身を潜めつつ、コメントに説明する。
「急所以外にも、部位ごとにデバフが付与できるようになりました」
『デバフか』
『なるほどね』
『今回はそっちが本命なのかなぁ』
『相手を弱らせて、急所に当てやすくする意図なのかな』
「そうだと思います」
銃を構える。
「試しに頭を狙ってみます。混乱付与、だそうです」
『無理無理(笑)』
『その腕前でヘッショなんて無謀』
『頭を狙ってみます(当てるとは言っていない)』
『外すに一票』
(うるさい)
ムッとしつつ、透視能力発動まで待つ。
そしてその時が来て――LV2となった透視能力を発動。
頭を狙って、引き金を引いた。
青い弾丸は――見事に、青白い“点”へ命中した。
ぱあああんっ! と、大きく弾けるような音が辺りに響く。
『おおおおおっ』
『マジか』
『クソエイムなのに』
『たまに動き良くなるのなんなの(笑)』
『ステータス同様ピーキーな男』
そして“頭”の弱点を撃ち抜かれたゴブリンは……ふらふらと頭を回しながら、なにもないところへ向けて棍棒を振り回したり、壁に向かって体当たりをしたりしていた。
『本当だ、ゴブリンの挙動がおかしい』
『自爆している』
様子を見ていると、ゴブリンはこちらに気づくことなく、延々と自爆し続けていた。
透視能力の再発動までの時間が経過。
ゴブリンへ近づき、安全に刃を突き立てた。
ゴブリンの体が魔力となって消え、魔石が落ちる。
「……次行きます。ブラックドッグ狙います」
ボソボソ言いながら、宣言する。
そしてこの後、とある配信者との出会いが待っていた。




