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【透視チート】会社をクビになった俺、ダンジョン配信でバズって人生逆転する【更新休止中】  作者: 音有五角
第三章「新パーティー結成」

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トラップをかいくぐり、ダンジョンを脱出せよ

 地震は収まるも、告げられたのは間違いなく最悪な報せだ。


「んなっ!? おいおい、マジかよ!」


 ユーマが驚いた声を上げた後――ボスフロアのトゲが、さっそくグラグラし始め、大量に飛んでいく。

 真っ直ぐに速く飛ぶトゲ、やや遅めだがホーミング(※目標へ向けて自動追尾)して曲がるトゲと、2種類同時だ。

 影山の時と違って、事前にトラップを確認することができない。

 全てぶっつけ本番で、対処していくしかないのだ。

 幸いなのは、今まで見てきたトゲトラップの中では、もっとも速度が遅いところ。

 しかしいかんせん、数が圧倒的に多い。

 また、ホーミングするトゲがあるせいで、安地はない状態だ。


「ここを出るしかない」


 影山の言葉に、ユーマはうなずいた。


「そうだな。でも、みんな焦るなよ! 冷静に周りを見るんだ。進む速度も、4人で合わせながら、出来るだけ散らばるな!」


 4人が飛来するトゲを回避しながら、進んでいく。

 真っ直ぐに飛ぶトゲの軌道に注意しつつ、ホーミングするトゲへ対処するのは、高い集中力を要求された。

 そうしてボスフロアを出て、通路へ。

 そこも変わらずトゲが飛来しており、4人は注意しながら脱出ルートを辿る。

 しかし――そんな彼らの進行方向へ、2体のハリネズミモンスターが現れた。


「キュウ♥」


 来ちゃった♥ みたいな鳴き声を上げ、影山達の行く手を阻む。

 腹の立つことに、飛来するトゲをちゃんと回避していた。


「くそ、お前らの相手なんかしてられるかよ!」


 ユーマが声を上げるも、ハリネズミは体を丸める。

 あの状態になれば、高い機動力でこちらへ接近してくる。

 逃げるのは難しいだろう。

 それにここでルートを変えれば、遠回りをすることになる。

 この脱出劇は、出来るだけ長引かせたくないところだ。


「俺が前に出よう。上手くスタンさせてみせるさ」


 マモルが盾を手に、3人より前へと出る。

 ハリネズミが同時に、特攻してきた。

 向こうもトゲをかいくぐりながらの戦闘だからか、立ち回りが雑だ。


「――スタンシールド!」


「「キュウ!?」」


 ハリネズミの体に電撃が走り、上手く動かなくなる。

 マモルは盾1体を押し出し、真っ直ぐ飛ぶトゲに巻き込んだ。

 1体はトゲによって消滅。


「撃ちます」


 そしてもう1体は、影山が透視スキルを起動し、射撃でしとめた。


『よし!』


『この状態で戦闘とかクソすぎる』


「ぐっ!?」


 無事に戦闘終了かと思いきや、ここでマモルがトゲに命中した。

 土壇場で盾をかざし、体に刺さってはいないものの、その衝撃で右腕を痛めた様子だ。

 マモルは盾を左手で持ち、右腕を真っ直ぐにしたまま、顔をしかめた。

 リディアが魔法を詠唱する。


「マモルさん!? すぐ手当を……」


 だが、リディアの元へすぐにホーミング型のトゲが飛来する。


「ひゃあ!?」


 詠唱で集中が途切れたため、間一髪の回避であった。

 ユーマは苦渋の決断を迫られた。


「マモル先生! 回復なしでいけるか!? この状況で悠長に手当てしてたら、二次災害が起きる!」


「ああ、なにも問題ない。おそらく、右腕の骨にちょいとヒビが入っただけだよ」


「なら軽傷だな!」


「そういうことだ。飲むよりは効果が薄いが、ポーションをかける応急処置で対応する」


「HP自動回復もあるしな!」


 軽口を交わしながら、4人はダンジョンを進む。

 最短ルートとはいえ、トゲを回避しながらなので、逃亡劇は1時間にも渡った。

 幸いにも、戦闘は先ほどの1回のみ。

 しかし4人は体力的にも、精神的にも追い込まれていった。

 最後は真っ直ぐに長い通路をひたすら進む。


「ここを乗り切れば、出口に繋がる階段です! あそこまでいけば、トラップはありません! もうひと踏ん張りです!」


 朝日が解析結果を告げ、鼓舞していく。


「あと少しだ」


 影山が言うと、残りの3人が頷いた。

 通路を進み、階段まであと100メートルと迫った時である。

 通路の角に魔法陣が展開され――あの陽気な声が、通路に響き渡った。


「FOOOOOOOOOOOOO♪」


「おいおい、なんかボスが来たぞ!?」


 ユーマが大声を上げる。

 慌てて朝日が解析した。


「先ほどの個体よりも戦闘力は下がっていますが、それでも強力な魔力反応があります!」


 ハイパーブーストを使い、影山が最初に階段までたどり着く。

 そこからガンブレードを構え、サボテンを狙った。


「……当たってくれ」


 しかし回避力の高いサボテンは、そう簡単に当たってはくれなかった。

 おちょくるような動きで、トゲも銃弾も回避し、影山達へ向かってくる。


「YO♪ YOOOOOOOOOO♪」


 サボテンの陽気な声が、徐々に迫ってきた。

 影山の攻撃によってある程度の足止めにはなっているが、あくまでも進捗を遅らせているだけだ。

 体力が削られている状態のパーティー。

 トゲの頻度はここぞとばかりに増え、逃亡はそうスムーズではない。

 コメント欄も緊迫としていた。


『ヤバいって』


『もうみんな戦えないよ』


『ニキ、仕留めるんだ』


「今、やってます」


「ニキさん、伏せて!」


「っ、あぶなっ!」


 朝日の切迫としたアナウンスで、慌てて頭を伏せる。

 階段からは上半身が出ている状態なので、トゲは飛んでくる。

 中に入れば安地だが、そうすれば射線が塞がれてしまう。


「ううっ!」


 そしてこのタイミングで、リディアがトゲに命中した。

 しかも今回はマモルと違い、ガードすら出来ていない。

 右足に直進型が命中し、リディアは銃に撃たれたかのようにふわりと体が浮き、ばたんと前から倒れた。

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