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【透視チート】会社をクビになった俺、ダンジョン配信でバズって人生逆転する【更新休止中】  作者: 音有五角
第三章「新パーティー結成」

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パリピ☆サボテン

 次の日。隠し通路は複雑に入り組んでいたが、ハリネズミとの戦闘を繰り広げつつ進んでいくと、やがて大きな緑色の扉へとたどり着いた。


「ニキさん、この先に強力な魔力反応があるよ」


「わかった」


「それに……フロア自体にも、複雑な魔力回路が張られている。今回のボス戦は、トラップつきだと思う」


「トラップ……」


 今までの傾向からして、トゲ落下の可能性が高いだろう。

 あれを避けながらボスと戦うとなると、中々に恐ろしい状態になる。


「ニキ、扉って壊せそうか?」


 ユーマが影山に尋ねる。

 透視スキルで扉を見ると、“線”と“点”が見えた。


「うん。壊せる」


「閉じ込められたとしても、撤退は可能ってことだ。ヤバそうだったら、ニキに扉を壊してもらって逃亡していこう」


 ユーマは3人を見渡した。


「Cランクボスを倒したんだ。魔力反応はBランクに近いとはいえ、Cには達してない。俺達ならいけるぜ」


 3人も進む考えになり、こくりと頷いた。

 それに隠し通路の傾向としては、ボスフロアに宝がある。

 ここで大きな戦力アップか、資金稼ぎに繋がってくるはずだ。


(あれ。そういえばこの竜の指輪、まだなにも起きてないな)


 ちらりと、影山は封印されたままの竜の指輪を見る。

 あまりに変化がなさすぎて影が薄いが、いまだになにも恩恵がない。

 ハイレベルな鑑定スキルでも、なにも調べられないらしい。


「おし。じゃあ、扉開けるぜ」


『ボス戦キタコレ』


『やっちゃえ!』


『せっかくだから、この緑の扉を開けよう』


『どんな宝があるか楽しみ』


『無事でいてくれ』


『おじさん、がんばれ~』


『リディアにゃんファイト』


 ボスフロアは広く、四角い形であった。

 そして天井と壁は、銀色のトゲが同じようにびっしりと並んでいる。

 中央にいたのは――緑色の、全長2メートルのサボテン。

 さらに腕、足と四肢が生えている。

 影山達に気づくと、サボテンは立ち上がり、ファイティングポーズをとった。


「FOOOOOOO~~~~~♪」


 なぜかパリピみたいな、チャラチャラした声を上げる。

 心なしか、ファイティングポーズもダンスに見えてきた。

 そして壁、天井にあるトゲがグラグラと揺れ――発射される。


『うわあああ』


『死にゲーやりながらボス戦!?』


『こっわ』


「みんな、無理はするなよ!」


 ユーマの言葉と共に、4人は駆ける。

 トゲの速度は素人の目でも追えるほど遅めだが、軌道は真っ直ぐではなく、ある程度こちらをホーミングしてくるものに変わっている。

 トゲは壁にぶつかり、役割を終えると魔力となって消えていった。

 4人はトゲを避けつつ、戦闘開始。

 マモルが真っ先にサボテンに突っ込むも、サボテンは後ろへ下がるばかりであった。


「YO♪ YOOOOOOOO♪」


 ふざけた声と共に、腕を振るい、針を発射。

 ハリネズミである程度慣れているので、マモルはバックステップで回避した。

 影山は透視スキルを起動しつつ、サボテンへ攻撃。

 ユーマも影山と連携をとりつつ攻撃をしかけるも、サボテンは素早い速度で戦場をかけ、攻撃を避け、距離をとった。

 そして牽制として、針を発射してくる。


「くそ、ちょこまかと……! つーか、なんだよこのふざけた鳴き声は! っと、あぶねえええええええ!!!」


 ユーマが絶叫する。

 飛んできたトゲに対して、背中を仰け反らせて神回避したのだ。


『あっぶね』


『ユーマ!?』


『しっかり周り見て!』


『見るとこ多すぎだって、この戦場』


『弾幕ゲーとは違って、ホーミングしてくるからまたキツさが違うな』


『サボテン逃げてばっかだな』


『なんかこのサボテンチャラいな』


『ボスらしくない挙動だけど、本体は逃げに特化してるのか?』


『トゲのフレンドリーファイアもあるし、サボテンは回避力へ全振りしてるのかも』


 マモルが隙を見てサボテンへ攻撃を振るうも、大きな盾による鈍い攻撃とは相性が悪い。


「くっ……攻撃を引き受けることすら出来ないのか」


 マモルはタンクであることに特化しているため、逃げ重視の敵だと力を発揮できなかった。


「……私も攻撃に参加します」


 リディアが杖を真っ直ぐに構える。

 装飾のされた杖の先端は、銃のような銃口があった。

 魔力を投入――瞬間、白い弾丸が放たれた。

 仕組みとしては、影山の使用するガンブレードと似たものだ。

 中々のエイムであったが、サボテンの動きは素早く、くるくるおちょくるように回避されてしまう。


「YO♪ YO♪ FOOOOOOOO♪」


 サボテンのふざけた鳴き声が、こちらを煽ってくる。

 4人で休みなく攻撃をしかけるも、どれも命中しない。

 時間だけが過ぎていった。


「ニキさん、左からホーミングしてきてる!」


「うん」


 朝日のサポートもあって、トゲには命中していない。

 他のメンバーも、オペレーターとの連携もあり被弾はゼロ。

 だが、これがいつまでも続くことはないだろう。

 所詮は人間のやること。

 オペレーターか、探索者か、どちらかが必ずミスをする。

 影山は宣言した。


「ハイパーブーストを使って、一気に仕掛ける」


 この場において起動力を上げて、大きく動くのは怖いが、サボテンをとらえるにはそれしかない。


「わかった! 気をつけろよ!」


 ユーマの言葉に頷きつつ、影山はハイパーブーストを起動。

 距離を詰め、剣を振るう。

 サボテンは先ほどよりもやや焦った様子で、しかしちょこまかと回避する。

 徐々に迫る刃。

 だが、休みないトラップに怒涛の攻めが常に隣り合わせだ。


「影山さん、右!」


「っ!」


 迫りくるトゲ。


(回避している時間がもったいない)


 透視スキルを発動。

 剣で“線”を一閃し、トゲを破壊した。

 同時に――ウォールブレイカーの金色の刃が、光を帯び始める。

 朝日が息を飲む。


「オリハルコンが光っている……? なに……?」


『なんや』


『新機能?』


『違うっぽいぞ』


『ニキの動き良くなっている』


 そしてサボテンへ向けてハイパーブーストで引き続き接近。

 サボテンの“線”を、金色の刃が見事にとらえた。

 ズドンっ! と金色の光が弾けるのと共に、爆弾が破裂したかのような閃光。

 ただ剣で斬ったのとは違う、破壊力のある一閃であった。


「WOH! OH、OOOOOOOOO!!!」


『攻撃魔法か?』


『えっぐ』


『ニキなにしたの』


 斬ったのは右足。

 付与されたのは、大幅な俊敏ダウンだ。

 それは想定内だが――ウォールブレイカーが一瞬、なにかをしたのは想定外のことで、影山は当惑した。


「なんだろう、今の……力が湧いていたような……」


「ニキ! 一気に仕留めるぞ!」


「あ、ああ」


 ユーマに促され、2人でサボテンへ距離を詰める。

 透視スキルはクールタイムに入ったが、2人のコンビネーションによる斬撃が、サボテンを襲う。

 動きの鈍くなったサボテンは、それを浴びるばかりであった。


「OH! OOOOOOOOOOOO!!!」


 サボテンは絶叫と共に、切り込みの入った体で逃げるも、やがてばたりと倒れる。

 同時に、トゲの動きが止まり、ボスフロアは静まり返った。


『――影山 光のLVが25へ上昇しました。HP+39 MP+13 攻撃+13 防御+15 魔力+13 精神+14 俊敏+20』


『――影山 光のLVが26へ上昇しました。HP+39 MP+15 攻撃+13 防御+15 魔力+14 精神+14 俊敏+20』


 影山 光 LV24→26

 HP 579→657

 MP 210→238

 攻撃 209→235

 防御 237→267

 魔力 210→237

 精神 230→258

 俊敏 346→386

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