ソロ狩りリベンジ
次の日も同じ流れでCランクダンジョンへ挑もうと考え、午前中の影山は再びソロ活動だ。
開始早々に視聴者数は38281人となり、コメントが流れていく。
「こんにちは」(ボソボソ)
『きちゃ!』
『壁破壊ニキ!』
『小声のあいさつ可愛い♥』
『おっすおっす』
『昨日どうだった?』
『パーティーでも、ニキはニキのままだったなぁ(笑)』
『めっちゃ喋るニキも見てみたいけどね』
「戦いやすかったです」
感想終了。
『感想それだけですか(笑)』
『ユーマ絶対気にしてるのにw』
『まあ、これが壁破壊ニキよ』
『大方、急にパーティー組むって言い出したの、ユーマのゴリ押しだろうしね』
『あー、なるほど。ありそう(笑)』
『正直、そういう裏の方が解像度高い』
『草』
『想像つくわ』
『???「なあ、ニキ~。そろそろ俺と組んでくれよ~。一緒に酒飲んだ仲だろ! 頼むよ! 一生のお願いだ!」』
『めっちゃ言いそう』
『ちょっとダルい感じがユーマっぽい』
『脳内再生余裕だわ』
『まあ、本当に嫌そうだったら、引く男だしね』
『ニキはまんざらじゃないんだろうね』
『真逆の性格なのに、仲良いの推せるなぁ』
『ユーマ、ミカと付き合っているって本当?』
『セカンドパートナーって噂あるけどガチ?』
『こらこら』
『そんなことニキに聞くな』
ユーマ関連で色々ネットがざわついていることは、影山も把握している。
裏切った元カノ、ミカは離婚だの育児放棄疑惑だのと、色々囁かれているのも知ってはいた。
だが、影山としてはなにも知らないので、特に出来ることはない。
「ユーマにはお世話になったので、困っていたら力になります」
『頼んだで』
『おお』
『真・ゆ友情パパワ―!』
『感動した』
『ガチ友情やんけ』
(そうなのだろうか……よくわからないが……)
そんな雑談をしつつ、ダンジョンを進む。
やがて朝日がアナウンスした。
「ニキさん。ここの十字路を右に曲がった先に、3体のリザードマンがいます」
「了解。前回は負けたけど、リベンジしようと思います」
『マジか』
『気をつけて』
『オペちゃん右左間違えなくて偉い』
『いや草』
『煽られてますよ』
『2体までのが良いんじゃ……?』
「悔しかったので。それに、勝てると思います。あと朝日ちゃんはなにか言うことありますか」
「右左間違えないようにします……」
(ありがとうございます。しょんぼり可愛いです。お顔見れないのが残念です。でも声だけでも最高です。耳が幸せです。やっほい)
影山はやり取りをしつつ、十字路を右に曲がる。
真っ直ぐ進むと、やがて3体のリザードマンが現れた。
前回と全く同じ構成。槍持ちが2体、後衛に矢を持ったのが1体だ。
この矢を持つリザードマンが厄介である。
矢の威力も高く、当たればしっかりとしたダメージになる。
影山はスモークマガジンへと切り替え、後衛に向かって撃った。
「ぐるるるっ!?」
スモークマガジンが有効なのは、前回で証明している。
後衛のリザードマンは視界を奪われ、矢を放てなくなった。
これで時間を稼ぎ、前衛との戦闘に集中する。
いっぺんに相手することが出来ないなら、分断すればいいのだ。
「「ぐるぅ!!!」」
前衛のリザードマン達が襲いかかってくる。
影山は透視スキルを発動させ、2体のリザードマンの盾を素早く破壊。
リザードマンは本来、カウンタースタイルなので盾の破壊は容易だ。彼らの初手は、大体がガードなのである。
しかしこれも前回同様、破壊されてからは行動パターンが変わる。
待ちから、攻めのスタイルへ。
槍を瞬時に突き出されるが、それを巧みに避けて、カウンターとしてリザードマンの胸へめがけて一閃。
(もう初見じゃないんだ。槍への対応だって、コツを掴めてくる)
1体のリザードマンを撃破。
このタイミングで、透視スキルが切れてしまった。
後ろへ跳び、少し下がる。
もう1体の方は、ショットガンマガジンで撃ち抜き、撃破した。
そして後衛のリザードマンがスモークから脱出し、矢を放つ。
しかしその頃にはもう、前衛がいない状態。
1対1ならば、苦戦する敵じゃない。
影山は前へ出て、矢を回避しながら、距離を詰める。
「ぐるるるっ!」
リザードマンは意地を見せ、早撃ちで影山の胸を撃ち抜こうとする。
しかし影山は反応し、左手をかざし指輪の”セブンスシールド”を発動。
矢は魔力によって形成されたラウンドシールドに弾かれた。
もう1度透視スキルを発動し、リザードマンの“線”を斬る。
3対1の不利な状態でも、Cランクモンスター“リザードマン”の撃破に成功した。
『すっげ』
『レベル1しか変わってないのに、もう槍の攻撃に対応してる!?』
『ナイス!』
『盾も使いこなしていくぅ』
『相変わらずの飲み込みの速さだなぁ……』
『かっこいい』
『キャー、ニキ様~><』
(戦闘をアーカイブで見直して、イメージしてきたから)
影山は配信外でも、こまめな解析と努力を引き続き重ねていた。
「ニキさん、大丈夫?」
「うん」
「あんまり、無理しないでね……」
朝日の心配に、影山はこくりと頷いた。




