青鬼の太郎の話
俺は河で漁をやったり畑をやる傍らせがれの虎太郎の面倒を見て生活している、いつかせがれも俺と同じ青色の肌になっちまったらもう友達とも遊べねえんだから今の内に思い出作っておけよ
青鬼の太郎…40歳(実年齢600歳)
朝は母ちゃんの花子に叩き起こされて飯を食ってせがれの面倒を見る所から始まるな、せがれをパジャマから普段着に着替えさせて…おいおい、顔と歯も洗えよ!
ってな訳で何時もせがれに言うのはこうだ「人間と鬼は何時までも一緒には居られねえ、だからせめて友達を失いたくねえならその帽子はどんな時でも外すんじゃねえぞ?」って言わないと角が見えて人間に石を投げられちまうからだ、それは俺がせがれぐらいの頃には酷く虐げられていた。
そんな思いをせがれにさせたくねえ、だから俺はあいつの麦わら帽子は頑丈で大きく作った、それからせがれはあんなにニッコリと笑いながら「お父ちゃん、行ってきます!」と言って村の子供達と遊びに行くのが日課になった、アイツが大きくなるのが楽しみだが鬼と人間の違いに苦しまないかが心配なんだ。
そしてせがれを遊びに行かせたら妖怪荘の裏出に有る、この時期には鮎が美味いんだ!たっぷり取って晩飯を少しでも豪華にしようと思ってるんだ!河童の小僧の取ってくれた胡瓜のぬか漬けも良い感じに漬かってきたしな、今日も御馳走だ!
そして夕方になって飯を食う前に俺とせがれは風呂に入る、せがれは今日沢山何をして遊んだか俺に嬉しそうに言うのが1日の楽しみらしい、俺もそんなせがれが愛おしくて風呂場で遊んでたら、母ちゃんに怒られちまった。
もっと大人しく遊べってどやされちまったよ、それでも怒られる時も笑う時も家族一緒だ。寝る時は母ちゃんと俺でせがれに昔話をせがまれるからよく絵本を読んでやるんだ、最近では鬼を悪者にしない本が増えてきたからアイツも読んでて悲しそうな顔もしないし人間たちも色んな鬼が居ると考えてきてんだなあ…
あんま喋り過ぎたら母ちゃんに叱られちまうから俺の話は此処までだ、じゃあな。




