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聖属性魔法と黒き翼  作者: 不(?)定期さん
3章 主人公の決意、仲間の気持ち
49/62

3-17/44 エルフの森

遅れてすみません。

風邪ひいてしまって、書けませんでした。

サブのほうは、なしです。

大目に見てください。



~sideシャティ(三人称)~



風に乗り、森の中を走り、休憩をはさむ。

そうして人族ではありえないほどの速度で、エルフの住む森まで進んでいった。

進むこと三日、ようやくその森が近づいて来た。


エルフの住む森は、王国の西側。

王国の西と東は今も魔物がわらわらと沸いている場所だが、その森を抜けると木の生えていない草原に出る。

これは、エルフの森が近いという証拠で、エルフたちは森の中で身を隠す。

しかし、その森に近づくものは隠れることができない。

つまり、エルフ側が一方的にその者の位置を把握できる。

森を生活場所としているエルフにとって、何も知らない、森にもそこまで慣れていない、魔物や人族、時には獣人族もだが、そんな状況で戦い、エルフが負けることがおかしい。


そんな森のため、魔族も人族もいままで関わらないようにしてきた。

今までは。

この先、魔族の侵攻がないとは言えない。

魔王の圧倒的な魔法で、この森ごと消えてしまう、なんてことも可能性としてはないわけではない。

そのため、エルフたちは少し警戒度が高まっている。


「いい、シャティ。今のあなただと、精霊を持っていないエルフの中では、負けることはないと思うわ。でも、精霊持ちが多いし、集団戦をしてくる。そして、警戒心が高まっている。魔眼のあなたが森に入ると、襲われるかもしれないわ」

「…分かってる。でも、精霊契約は、エルフの掟…」


魔眼のせいでエルフに襲われる、嫌われることは、重々承知している。

その上で、ここまで来ている。

そんな彼女にとって、エルフの森だけで行動しているエルフに負けるなどという考えはない。

過去の自分ではない、外の世界を知らないエルフではない、今の彼女は、そのすべてを、あの人から教えてもらった。

だから、もう、屈することはない。


むしろ、森の中という視界の悪いなかで、魔力を見ることができるというのは、森を完全に把握していることよりも、有利になる場面もあるだろう。

森を把握していても、全員がどこにいるか、何をしているのかなど、分からないことが多い。

弓に関しても、魔法で強化しないと、魔物の皮膚、人族の防具などを貫通することは難しい。

そのため、ほとんどの矢は魔力を帯びる。

ただ、魔力を頼りにしすぎると、魔力の帯びていない、暗殺用の矢が来たとき、対処できなくなってしまう。

これなら、場所による絶対的な優位は崩される。


「大丈夫なようね。そういえば、シャティはどんな精霊を選ぶか決めてるの?」

「もちろん…精霊王」

「…本気?」

「ん…」


精霊王は契約する側が選べることはない。

あちらから、その者を見極め、人格、力、思い…などを見て判断される。

最初から精霊王と契約するなんて考えるほうが、ありえないことだ。

むしろ、精霊たちの怒りを買い、契約できなくなるだろう。

それを承知の上で、精霊王を選ぶ。

いや、選ばざるおえない。

勇者でない、エルフには、勇者と同じレベルの精霊では、その差は開くばかり。


故に、精霊王という圧倒的な精霊と契約する。

それだけが、リースに追いつく手段であり、生き延びる選択である。

百か、零。

生きるか、死ぬか。

そ例外の選択肢など、端からなかった。


「…分かったわ。それしかないことは、私もわかってる。後悔はなしよ?」

「…いまさら、後悔はしない…」

「ふふ、行きましょうか」

「ん…」


ここからは歩いていく。

エルフたちを刺激しないためだ。

少し歩くと、草原に出る。

ここからは、あちらに把握されていると考えるべきだ。エルフの索敵能力をなめてはいけない。

しかし、森の前に行くまで、問題は起こらなかった。

それは同じエルフだからか、森の中で戦うためか、分からない。


ついに、森の前につく。

すると、木々の間から一人の男のエルフが姿を現す。


「何用だ。エルフの森から出て行った者たちよ」


威嚇するような、低い声で質問する。

質問というよりは、皮肉を言いたいのかと思うが。


「精霊と契約しに来たのよ、この子がね」

「精霊と契約だと?しかも、まだ子供じゃないか。一番わかっているのはあなただろう。何百年と鍛えてきて、やっと精霊王と契約したんだ。…今、どれだけのことをしようとしているのかを」

「分かってるからこそ、ここに来たのよ。少なくとも、この子はあなたに負けないわ。何回やってもね。むしろ、差がつくだけかもしれないわね」

「なに?」


マスターが挑発する。

それは、このエルフが『森の守り人』と知ったうえで。

『森の守り人』とは、名の通り、森に侵入するすべてのものを監視し、場合によっては排除する役目を持った、エルフの中でも上位のエルフだ。

逆に言えば、『森の守り人』を倒すことが、一番手っ取り早い。

もちろん、今回に限るが。


しかし、選ばれたエルフに間違いなのだから、その戦闘能力は低いわけがない。

また、精霊を持っていないわけがないのだ。

そんなエルフにシャティが勝てるとは限らない。

今のままでは…。





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