3-7/34 迎撃戦の裏で by主人公
いやぁ、投稿する時間を間違えていました。
ダメですね、最近遅れてしまっています。
気を引き締めていきます!
魔王軍が進軍し、それを騎士と冒険者が迎撃する。
その様子を、ゼロは冒険者ギルドの屋根の上で眺めている。
「…魔物の数はそこそこいるようだが、まあ、想定内といったところか。三人がいる側は問題ないし、それをギルマスも知っていることだから、バランスの調整はしているだろう」
【遠視】と【空間把握】によってその場にいる騎士たちよりも正確に魔王軍の勢力を確認できる。
この時点で、人間の行使できる魔法のレベルを超えているのだが、そんなことは気にしてはいられない。
というよりも、そのレベルでは命を差し出すようなものだ。
その魔王軍の中で、異常な魔力の塊を見つけた。
「…あれが魔剣と呼ばれるものか」
その魔剣の持ち主は、人の形をした魔物。
ゾンビと言い表すのが的確かもしれない。
それはそれはご丁寧に、顔だけ元の人間のままきれいに残されており、体は今にも崩れそうになっている。
その魔物が五体。
正確には、その形の魔物が五体いるが、魔剣を持っているのは真ん中の一体だけ。
流石に、ここに二本目の魔剣を使う余裕はないのかも知れない。
「まあ、あれぐらいはそちらで処理してもらわないとな。さて、どうやらすでに王都内にあちらの勢力がいるようだ…。早急に処理するとしよう」
【契約の腕輪】の能力の一つ、【アイテムボックス】を使い、【最後の羅針盤】を取り出す。
「表すは闇。この地に在りし闇を示せ」
その言葉を発すると、羅針盤の針が四つ現れ、それぞれの方角を示す。
一つは魔王軍に、一つは東側の廃れた教会に、一つは西側のスラム街に、一つは南側のとある商店に、それぞれ示される。
「…これは、魔法陣か。なるほど、魔剣による結界のようだ」
これでは逃げたくても逃げれない。
知らせたくても知らせれない。
来るものを受け入れ、出るものを拒む。
そして、その結界の魔力の元はその中の人々。
徐々に衰弱していき、死ぬものもあらわれるだろう。
そのなかでも死ななかったもの、ある程度の戦力になると認められたものは、何かしらの魔法により、魔物に変えられる。
王都は比較的大きな町であるから、結界の効果もそこまでではない。
しかし、ロートタウンのように栄えてはいるものの、大きくはない街であったり、村であれば、その効果は大きく、半日もあれば全滅に十分というわけだ。
これで疑問が解けた。
「急がないと、めんどくさそうだ」
まだ発動されていないようだ。
しかし、魔剣を四本も使っているのだから、いつでも発動できるだろう。
それか、これよりも強力な結界を張るためにまだ発動していないだけかもしれないが…。
まずは、商店から狙いに行く。
ここから一番近く、一番守りが少ないところだからだ。
家々の屋根を飛び移り、その魔剣のある商店の前に降り立つ。
すると、中から人の姿をした人でないものが出てきた。
「まあ、こんな日にお客さんが来るとは思いませんでした。申し訳ありませんが、今日はやっていないので後日、いらしてください」
そう、何も言っていないのに帰らせようとする。
「そうか、では何があってもわからないな。客もいないようだし」
抜刀。
一瞬で首が飛ぶ。
いちいち話をしていても時間の無駄だ。
たとえ人間だろうとも容赦はしない、人間を殺す覚悟などとっくにできている。
それが親しい人だとしても…。
「さて、中には四人ほどいるようだが、どれも弱そうだ」
―――五分後
ゼロが、魔剣を器用に回しながら出てくる。
「なんだ、魔剣といっても人が作ったものだと思ったが、本当に使えるものはまずいないだろうな。魔族の勇者レベルがいたとしても、それは六割ほどしか使えないだろう。まあ、俺が使うというわけではないのだがな…。次、行くか」
次に向かうのはスラム街にある魔剣。
スラム街の中は入り組んでいて、そのいたるところには荒くれ者が住んでいる。
その為、探し物をするのは非常に向いていないようなところだが、羅針盤を使えば迷うことはないうえに、スラム街の者は死に敏感だ。
故に、自分よりも強いものに襲い掛かるような馬鹿はいないことはないが、その馬鹿も周りの状況を見て判断する。
しかし、中にはそれすらもわからない者もいるようで、襲い掛かっては気づかぬうちに死んでいく。
「まったく、ボスはボスらしくしっかりまとめとけよ…、無駄な死が増えるだけだ。おっと、ここか。次は何分かかるかな」
左手に持った羅針盤をしまいながら地下につながる道に入っていった。
―――七分後
先ほどのように、何事もなかったのように魔剣をもって出てくる。
その服に血が付くなどの失態はしない。
「なかなか入り組んでいたな…。わかりやすくしといてくれよな。…最後、行くか」
最後に向かうは廃れた教会。
場所はすごくわかりやすくていいのだが、その警戒度はどこよりも高い。
…が、ゼロにとってそんな差は誤差でしかない。
―――三分後
何度か見た光景だが、魔剣を持って出てくる。
僅かに返り血がついていることが、敵の実力を物語っている。
もしあの勇者たちであったのなら、返り討ちにされることは間違いないだろう。
そうして、誰にも知られることなく魔族の王都攻略は防がれた…はずだった。
いや、これを防いだゼロを褒めるべきだろう。
しかし、魔王も想定内だといえる。
ただ王都壊滅の日が伸びただけなのだから…。
読んでもらった通り、主人公視点になります。
まあ、主人公なし視点も読んでもらったほうがいいですが、読まなくてもわかるようにしたいですね。
作者自身、主人公視点が好きなもんで(´-ω-`)




