名匠との出会い
あ"ーあ"ーマイクテストマイクテスト
報酬を受け取ったことで、財布がちょっと潤った。日本にいたときに稼いだお金はすぐさまお菓子やゲームに使っていたので、ほとんどお金はなかった。買ったものは家にあるし。
「ああ、家に帰りたい、、、」
「あら、あなた、冒険者なのに家を持ってるの?」
この失礼な言葉を放ったのはこの前依頼について教えてもらった、リオンさんである。1週間ほどで失礼を言い合うほどには仲良くなった。
「実家というか、、、に戻りたいって感じですね。今は馬小屋生活だし」
「へー」
それにしても、魔王を倒すために何が足りないのか考えないといけない。まず私一人で魔王を倒すことは不可能だ。なら、仲間を集めたい。ただ、仲間といっても、魔王を本気で倒したいと思ってる人が無名の冒険者とパーティーを組むのは考えづらい。なら、組まざるを得ない状況にする?どうやって、、、無理だな。とりあえずまずは自分自身で足手まといにならないようにしなければ。そういえば。
「私って魔法って使えるんですかね」
「そりゃあ使えないんじゃない?自分で使える人なんて魔法学校出身のエリートだし」
「先輩方は魔法を使えてるように見えるんですが、、、」
「あーあれは魔道具ってやつよ」
「私も魔道具使いたいんですけど、、、」
「魔道具職人って気難しい人が多いわよ、、、戦闘をするようになったら必要だけど、いらないうちはかかわらない方が精神衛生上、自分のためになるわ」
気難しい人が多いのか。必要になった時に魔道具を買いに行っても買わせてくれないとかがあるのかな。それは困るな。じゃあ、、、
「のんびり調べていこうかなー」
怠惰だな。自分で言うのもなんだけど。いろいろ考えた結果なにも行動しないところが、天界にいたときと何も変わってない。これが私のいいところだろうし気にしないけど。
「そんなに魔法を使いたいのなら、この国一の魔道具職人を教えてあげるわ」
「誰ですか?」
「ハイウェルって人よ。隠れた名匠みたいな感じらしいわ。うわさだけしか聞いたことないけど」
ふーん"んん"んんん"ん"ん。なんか、首根っこをつかまれてる気がする。いやマジで。イテテテテテテ。
「いや痛いんですけど!」
「なんか言って!?」
「あんただれだよーーーーーーーーーーーーーーー!」
突然現れた赤い刺青の入った大男はヒバナをドンキー担ぎをし、連れ去った。その光景を見た数人の冒険者は、口をそろえてこう言った。
「「あれが、、、暴匠ハイウェル、、、」」
「ゴホッゴホッゴホッ」
「いやーすまんかった。襟をつかんだりして、もう息は大丈夫か?」
「もっと謝るところは別にあると思うんだけど、、、誘拐とか誘拐とか誘拐とか。説明不足だし」
「わしの名前はハイウェル。しがない名匠じゃ」
名匠って自分で言うのかよ、、、
「私の名前はヒバナ。なんで誘拐なんてしたの?」
「誘拐したわけじゃないが、、、魔鉱石を買いに来てたところ、わしの噂を話してたもんだからな、、、誰が話してるのかと聞き耳を立てたところ、まったく魔力がない奴が魔法を使いたがってるではないか!」
「今のところ誘拐して侮辱してる、キチガイおじさんだけども大丈夫ですか?」
「まあそう慌てるでない。わしはドワーフという種族での、かの魔王が生まれる前から生きていた長寿な爺さんじゃ」
リオンさんが言っていた、気難しい人が多いという印象はあくまで印象に過ぎないのか?そんな風には見えないのだけれど。
「かなり長い間生きてきたわしでも、魔力を持ってない人間は初めてでの、そいつが魔法を使ってみたいというのならば、わしが魔道具を作ってやろうと思ったのじゃ」
あら優しい。と思ったが、最後に「魔力ない人間も魔道具が使えるか試してみたいしな」と小声で言っていたのが聞こえたぞ。ただ、こんな機会めったにない。相手の実験に付き合いながら、魔道具ももらってWINWINの関係もありだな。うん、そう思うようにしよう。あと、万が一人体改造された時のために、通報方法も帰ったら確認しよう。人体改造罪とかないですかね。
「ありがとうございます」
「ちゃんとあいさつできる人間は好きじゃぞ。最近の若者は挨拶しないものが多いからな、、、」
ここから、5時間近くに及ぶ昔語りで、魔道具制作は翌日からになってしまった。




