港町ギルガリアンに着いて
船から降りるとそこは、ライナー王国とは違い歩く人達はみんな獣人ではなく袖を肩まで捲し上げた筋肉質の男達が大きな木箱を担ぎながら歩いていた。
「おぉ~、ここが王都ギルガリアンか」
「いや、正確にはここは王都ギルガリアンじゃなく港町ギルガリアンだ」
「だからこんな厳つい人達が多いのね」
「厳つい人達って・・・・・・」
ミエの真顔によるコメントに飽きれ半分で返す龍太を見るとかなり仲良く見える。
「龍太、ミエ、あの乗客用の馬車に乗れば王都ギルガリアンに着くからお前らはあれに乗っていけ」
指の差す方を見ると二頭の馬が御者の手から渡される餌を食べていた。
「そうか。ならここで一端お別れってことか」
「ミカ、またしばらく離れてしまうね」
「大丈夫だよお姉ちゃん。だってまた後で会えるんだから」
心配するミエを安心されるように気丈に振る舞っているもやはり何処と無く悲しそうに見える。
「心配しなくても大丈夫だよミエ。ミカには僕が付いているから」
ドンッと自分の左胸を叩き、任せとけとアピールする。
「あんなのでの居ないよりかは増しだと思うし、俺達は早く王都ギルガリアンに行こうか」
「・・・・・・そうだね龍太の言う通りだね」
わざとらしくにこやかな笑顔で話す龍太とミエはそなまま馬車に向かって歩き出す。
「あんなのって・・・・・・しかもミエまで同意するし」
「大丈夫だよ私はショウの事を頼りにしているから」
落胆する僕に隣でミカが優しく慰めてくれる。
「ありがとうミカ」
「おい二人とも何してんだよ」
「私達も早く行くよ」
いつの間にかアルナールと彩姫は馬車に向かう龍太らと反対側の方向に向かって歩いていた。
「悪い悪い。今行くよ」
「ったく何やってんのよショウは」
そう言いながら彩姫は体の方向を右に向け歩き出そうとするのをアルナールが肩を掴んで止める。
「お前も何やったんだよ」
「あれ?」
早速道を間違え出す彩姫に「先が思いやられる」と嘆くアルナールの後ろを続くように僕とミカは歩いていく。
僕のこの折れた剣を直せるかもしれない鍛冶師の所へ。