あたしの心の広さは世界一ニャ
城に戻った僕達は気を失っている兵士達を救護班に任し今はニャルトのいる謁見の間にいる。僕がニャルトに何があったのかを話している間、彩姫、龍太、アルナール、ミカ、ミエの五人は僕の後ろでじっと話を聞いていた。
「なるほどそんなことがあったのかニャ」
「すみません。兵の何人か達を死なせてしまって」
「しょうがないニャ。それに謝るならこちらの方ニャ」
横に立つセバスを申し訳なさそうな目で見ている。
「こうなるんだったら端からあたい達は何もしない方がよかったかもしれないニャ」
確かに結果だけ見ると今回の作戦に置いてセバス率いる兵士達は何一つ役にたっていない。
「本当に申し訳ございません」
「もう謝るな。お前が謝ったところで何も変わらないからな」
「それもそうニャ」
「ですが私のせいでこの者達の大切な仲間が・・・・・・」
アルナールの言うことはもっともだがセバスはどうしても自分の犯した失態が許せないようだ。
「セバニャン今はとりあえず自分を責めるのを止めるニャ。今はどうやってホノニャを助けるのか考えるのが先ニャ」
「っ! じゃあニャルトは僕達に協力してくれるというのか」
「当たり前ニャ。ショウニャ達にはたくさんの借りが出来てしまったしそれにあたし達は友達ニャ。友達が困っていたら助けるものニャ」
この国の王様が心が広いだけでなく思いやりのある人でよかった。
「ありがとうニャルト」
「礼なんていらないニャ。それよりも何か助ける方法を速く考えないといけないニャ」
「安心しろ俺に考えがある」
そう言って僕の隣まで出てきたのはアルナールだった。
研究所の外で考えがあるとアルナールが言っていたが実際どのような考えなのかは僕らも分からない。
「どのような考えなのニャ?」
しばらくの沈黙のあとアルナールはニャルトに一言だけ言った。
「中央大陸にある王都ギルガリアンの国王にある親書を書いてほしいんだ」