新しい未来に向って
518話に加筆修正が入り内容が変更となっております。
よろしければそちらもご確認下さい。
そしてその日はやってきた。
今日は夏節種期初日。
そう、俺がこの世界に来てシュリアン商店を開店してから一年経ったんだ。
あっという間だった。
そう表現して良いぐらいに濃かったなぁ。
ちなみにまだ開店前。
いつもより早起きをした俺達はいつもより早い時間に店に出勤していた。
といっても徒歩10秒で職場ですけどね。
皆で準備をしていると突然黒い壁が現れる。
どうやら待っていた人が来たようだ。
でも変だな、予定よりも早い気がする。
「お待ちしていました。」
「あら、早いじゃない。」
「メルクリアさんこそ、約束の時間にはまだありますよ?」
「エミリアのお祝いを先にしておきたかったのよ。悪い?」
「そんな事ありません、有難う御座います。」
「・・・まったくなんでこんな男が好きなのかしら。」
「それはエミリアに聞いてくださいよ。」
「そうね、そうするわ。」
あ、あれ?
いつもならもっと食い下がってくるんだけど、今日は自分とアッサリだな。
幼女もとい鬼女もとい上司が不服そうな顔で俺を見てくる。
その表情になにかを察したのかエミリアがすかさずフォローに入ってくれた。
少しはなれた所で何か話している。
うーむ、もっとこう『さぁ達成できたのかしら?』みたいな感じで入ってくるのかと思っていたので拍子抜けだ。
「一体なんでしょう、今のは・・・。」
「今のはシュウイチが悪い。」
「え、私ですか?」
「ご主人様最低です。」
「ユーリまで!」
なんだよ、緊張してたのにいつもと違うから戸惑っているってのに。
どうして責められないといけないんだ?
「イナバ様は緊張されていたんですよ、仕方ありません。」
「いや、緊張していなくても気付かなかったのではないか?」
「それはありえます、ご主人様ですから。」
「だから一体何なんですか?」
ニケさんは味方してくれたものの、他の二人にネチネチと責められる。
全く意味が分からないよ!
「シュウイチさん、お祝いに果物をいただきましたよ。」
とか何とかやっていると、話しをしていた二人が戻ってきた。
心なしかメルクリア女史の表情が明るい。
エミリアが美味くフォローしてくれたんだろう。
さすがです。
「お気遣い有難う御座います。」
「なんでも妊娠初期はすっぱい物がいいらしいわ、よかったらシルビア様も召し上がって。」
「それは助かる。みんなでご馳走になるとしよう。」
見た目にはりんごっぽい果物なんだが、檸檬みたいに酸っぱいのかもしれない。
見た目に騙されないようにしなければ。
「さて、お祝いはコレぐらいにして開店前にさっさと終わらせましょうか。」
「宜しくお願いします。」
さっきまでの穏やかな雰囲気が一変、いつものような厳しい表情に戻るメルクリア女史。
いよいよこの一年の集大成の発表だ。
「まず最初にあれだけ色々な事が起きながら、この一年よく店を継続させたわね。また、初心者冒険者の受け皿としてサンサトローズの冒険者ギルドと手を組んだのも良かったわ。他のダンジョンでは出だしで躓く人が多いけれど、貴方はそれを見事に回避して更に発展させた。コレに関しては商店連合として最大の評価をしています。」
「ありがとうございます。」
「貴方のやり方を真似る商店も増えてきています、引き続き我が協会に益の出る行動に期待します。ここまでが協会からの評価よ。」
「好意的に思っていただいているようで何よりです。」
まぁそれだけの活躍はしてきたつもりだ。
もちろん誰かの為ではなく自分の為にやってきた事だから評価されるのは素直に嬉しい。
「正直に言って貴方がここまでする男だとは思わなかったわ。エミリアが今までにない逸材だと資料を持ってきた時も、他の候補者と変わらないと思っていたの。でも貴方は違ったわ、数々の困難に立ち向かいその度に結果を残してきた。もちろん全く関係のない事に首を突っ込むクセには困ったものだけど、それに関しては今更ね。」
「あはは、耳が痛い。」
「三精霊の祝福を授かるなんて前代未聞の事を平然と成し遂げるし、集団暴走も食い止めた。第三王女暗殺未遂事件も解決したし、魔石横流しも発見した。本当に貴方はうちの商人なのかしら。はるか昔に居た勇者とかそういうのじゃないの?と、私もこの一年で貴方の評価を改めざるを得なかったわ。」
「シュウイチが勇者か、それは面白い。」
「こんなのが勇者と呼ばれてしまったら過去の偉人に申し訳ないので、辞めていただけるとありがたいです。」
俺が勇者?
馬鹿いってんじゃないよ。
そういうのはチートスキルを授かった誰かに任せるね。
商人で世界を救うとか、何処の縦縞パンツですか。
「だけど、それも自分の目標を達成できたらの話よ。できていなかったらコレまでの評価は全て無き物になる、それは分かっているわよね。」
「もちろんです。その為にこの一年必死に動き回ったんですから。」
「じゃあ見せてもらいましょうか。」
ふぅと息を吐いてメルクリア女史が席に着く。
代わりに俺が立ち上がり用意しておいた資料を机の上に提出した。
「現在シュリアン商店ではダンジョンを25階層まで拡張しております。また村では春に宿と商店が出来、冒険者の宿泊が可能になりました。人口も当初の倍に増加しており、この秋の収穫次第では更なる発展も可能かと思われます。」
資料といっても状況を伝えるだけなのでグラフなどは無いしそんなに凄いものではない。
ただ時系列でこの一年の推移をかいただけだ。
「十分すぎるほどの結果といって良いでしょう。」
「有難う御座います。」
「でもまだもう一つあるわよね?」
この一年で貸された目標。
ダンジョンを15階層まで発展させ、村の人口を倍増させる。
さらに宿を誘致して冒険者を滞在できるようにする事。
最後に、金貨20枚を商店連合に納める。
「こちらが納付金となります、ご確認下さい。」
下から大きな皮袋を取り出し書類の横に置く。
ジャラジャラと硬貨がぶつかり合う音が店中に響いた。
「確認させてもらいます。」
皮袋を開け口を横に向けると勢いよくお金が飛び出してくる。
金色だけではない、銀色や銅色の硬貨もたくさんある。
「金貨で納めろとは言われていませんでしたから。」
「えぇ、分かっているわ。」
「お手伝いします。」
「大丈夫よエミリア、コレは私の仕事だから。」
本来であれば、スマートに金貨を20枚用意出来ればよかった。
実際に花期までには金貨20枚で用意してあったのだが、今回の騒動で冒険者に多額の依頼料を支払う事になった。
その額金貨1枚と銀貨20枚。
このほかに薬草代やエミリア達の必需品など結構な出費があったため、どうしてもそのお金を使うしかなかったのだ。
使った物は補填しなければならない。
ということで宿と商店の売上を全て皮袋に入れて言ったのでこういう状況になってしまったというワケだ。
昨夜必死で数えたので金額はあっている・・・はず。
もしコレで足りなかったとしても、出せるお金はもう何処にもない。
そうなったらそうなった時の事だけどな。
素早い手つきで硬貨を数えていくメルクリア女史。
乱雑に詰め込まれていた硬貨はあっという間に仕分けられていった。
「これで、最後。」
「いかがですか?」
「締めて金貨19枚と銀貨99枚と銅貨43枚。」
「「「え!?」」」
「わずかに足りないわ。」
「そんなはずは!確かに昨夜ありましたよ!」
「そうだ、全員で数えたのだから間違いない!」
想像もしなかった回答に全員が身を乗り出して反論する。
だがどれだけ数えても枚数に間違いはなかった。
「なぜだ!」
「分かりません・・・。」
「枚数が足りない以上、目標は達成できなかったと判断するしかないわ。」
「待ってください!今すぐ持ってきます!」
「何処から?あくまでも純利益で提出するとの約束なのだから在庫やお釣り用のお金から捻出するのは禁止よ?」
メルクリア女史が淡々と事実を述べてくる。
確かにその通りだ。
目標は純利益でとの事だった。
なのでレジのお金を補填するのは認められない。
でも昨夜は確かに合っていた。
だから残りをレジ金に回してこの袋にキッチリ入れたんだ。
あの時多めに入れておけばとか色々考えてしまうけど、過ぎてしまった物は仕方がない。
たった銅貨57枚。
それで全てが終わってしまう。
「あ・・・。」
と、そこでエミリアが小さな声を発した。
「どうしました?」
「さっき準備をしている時にティオ君が来たんです。ドリスさんにお使いを頼まれたらしく、いくつか薬を買って行きました・・・。」
「それがどうしたんだ?」
「その時お釣りを渡したんですけど・・・。」
「まさか!こっちの袋から出したのか?」
「そうかもしれません・・・、金額が合致します。」
エミリアの顔色がドンドンと青ざめていく。
座ったままだというのにフラフラと揺れて、倒れそうになるのを慌てて抱きかかえた。
「メルクリア殿、取り出す場所を間違えただけの単純な失態だ。別の袋にはちゃんと入っている、だから!」
「・・・申し訳ないけどこの場に上司としている以上失敗を見過ごす事はできないわ。ここで見逃してしまったら過去を全て否定する事になってしまう。例えついさっき起きた事とはいえ、ここに入っていなかったという事実に代わりは無いもの。」
「だが!」
「誰か銀貨1枚でもいい、持っていないか!?店のお金でなければ構わないのだろう?探せ、探すんだ!」
シルビア様が大声で俺達に言う。
だがそんな物出てくるはずがない。
今日は仕事の日だ。
外出もしないのに自分お金を持って来るはずがないんだ。
レジのお金と混ざったらそれこそ面倒な事になる。
「・・・どうしよう。私、最後の最後で・・・。」
「エミリア落ち着いて。大丈夫、大丈夫だから。」
「でも、お金はどこにも・・・。」
過呼吸にでもなりそうなぐらいに浅い呼吸を繰り返すエミリア。
ユーリとニケさんがエミリアを落ち着かせようと二人係で声をかけている。
俺はというと、なんていうか夢を見ているようで笑うことしか出来なかった。
マジかぁ。
ここでこう来ますか・・・。
メルクリア女史が悲しそうな顔で俺を見ている。
本人としては目をつぶりたいのだろう。
俺達の苦労を知っているだけに自分が見逃せばそれで済む話なのだから。
でも、それをプライドが許さない。
友情と仕事。
その二つに挟まれてこの人も苦しんでいるんだ。
あーあ、床にお金落ちてないかなぁ。
って昨日あれだけ掃除したんだ。
そんなはずがない。
じゃあ空からお金が降ってくる?
そんな夢みたいな事起きるはずが・・・。
「失礼します。イナバ様はおられますでしょうか。」
と、絶望感たっぷりの状況の中、空気を読まずフライング入店してくる人の声が聞こえてきた。
どうやら俺を呼んでいるらしい。
まるで壊れかけのロボットのようにギギギギと首を回すと、そこに居たのは見覚えのある人物。
「ティナギルド長?」
「すみません開店前に。お伝えしたい事がありまして急ぎやってまいりました。」
はて、伝えたいこと?
ティナさんもただならぬ雰囲気にたじろいでいるご様子。
ですよねー、俺でもそうなるもん。
「どうぞこちらに。」
「よろしいのですか?」
「大丈夫です。」
大丈夫じゃないかもしれないが大丈夫だ。
ってうか俺がそうして欲しかった。
何も知らない第三者。
そんな新しい空気を欲したのかもしれない。
少し駆け足でティナさんがやってきたかと思うと、ポケットに手を入れて素早く何かを取り出した。
反射的に差し出された手の下に自分の手を出すと、手の上に何かが乗る感触がある。
「・・・これは?」
「先日の冒険者に払う依頼料について、過払いが発覚しましたので返却に参りました。それと、別件でもう一つ報告とお願いがありまして・・・。」
『返却に参りました』までは聞こえたけど、その先は耳に入ってこなかった。
何故なら俺の掌に乗っているソレが信じられなかったから。
本当に降って来たよ。
ソレを強く握ると今度はゆっくり手を伸ばす。
何も言わず伸ばした手の下にさっきの俺と同じく手を出すメルクリア女史。
強く握った手をパッと離すと、ソレは確かにメルクリア女史の手に渡った。
「銀貨1枚。確かにコレは店のお金じゃないわね。」
「えっと、何かあったんですか?」
「ティナさんが私達を救ってくれたんですよ。」
「え?え?」
事情を飲み込めないティナさん。
それ以外の全員がメルクリア女史の手を見つめ、そして・・・
「「「「やったああああああああああああ!」」」」
ガラにもなく大声で叫んだ。
それはもう思いっきり。
こんなに大きな声を出したのは何時振りだろうかってぐらいに。
それぐらい嬉しかった。
ティナさんはというと、突然の大声にビクッとしていたけれど・・・。
逆転満塁ホームラン。
今までに何度こんな事があっただろうか。
その度に誰かのおかげで何とかなってきた。
他力本願100%男いや120%と改名していいかもしれない。
「まったく、ヒヤヒヤさせないでよね。っていうかこういうお金ははじめから分けておけば、こういうことにならなかったのよ。」
「はい、全くその通りです。」
「今回はたまたま、本当にたまたま、ティナギルド長が来たから良かったものの、もう二度とあんな思いさせるんじゃないわよ。私にもエミリアにも、ここに居る全員にもよ。」
「はい、以後気をつけて業務にあたります。」
その後無事に目標は達成したとみなされた。
後ろで大騒ぎをしているエミリア達を他所に俺はメルクリア女史のお説教を受けている・・・という状況だ。
俺だってまさかこんな事になるとは思わなかったんだよ。
いやー、汗かいた。
むっちゃ嫌な汗かいた。
「上司としてではなくエミリアの友人としてお礼を言わないといけないわね、ティナギルド長。」
「そんな、本当に偶然ですから。」
「そういえば別件があるとか仰っていましたね。何でしたっけ。」
「その件なのですが、実は春節を最後にギルド長の職を辞することにしたんです。代わりにグランがギルド長として頑張ってくれると思いますので、引き続き宜しくお願い致します。」
「え!?春節って昨日じゃないですか!」
ってことはここに居るティナさんはもう冒険者じゃない?
え?なんで?
まさか一年で辞めるとは思わなかったんだけど。
これはまた凄いサプライズだな。
「これからどうされるんですか?」
「冒険者に戻ろうかと思っています。ギルド長だとなかなか自由がありませんから。」
「確かにティナさん程の実力があればどこでもやっていけますね。頑張ってください。」
「それでですね、イナバ様に一つお願いがありまして。」
「お願いですか?」
さっきまで仕事モードの顔をしていたティナさんの表情が一気に変わる。
それはまるでおねだりをする前の子供ようで、思わず可愛いと思ってしまった。
う、浮気じゃないよ?
違うからね!?
「私をここで雇ってほしいんです。」
「・・・はい?」
「今後冒険者が増えれば残念ながら粗相をする者も増えます。シルビア様が出産に備えられるという事は、ここの警護をする人がいなくなりますよね?その代わりとして雇って頂きたいんです。あ、お給金は安くて構いません。その辺はダンジョンで稼がせて頂きますので。」
「確かにシルビアの代わりを探す必要はありますけど・・・でもガンドさんやジルさんもいますし。」
「それに関しては気にしなくていいぞ。俺はこの腕だし、ジルもいずれ動けなくなる日が来る・・・はずだ。」
「そこは言い切る所ではありませんか?」
「いや、そういうのは授かりものだしなぁ。」
「まったく、そういう所は弱気なんですから。まぁそこがいいんですけどね。」
俺達の大声を聞いてガンドさん達が部屋から飛び出してきたのは言うまでも無い。
ウェリスの所もそうだったけど、なんだかんだ言ってガンドさんもジルさんの尻に敷かれているよね。
まぁ俺もだけどな。
ってかティナさんがうちに来る?
確かに有難いと言えば有難いけど、豪華すぎません?
上級冒険者相当が三人ですよ?
なんならサンサトローズ冒険者ギルドよりも充実してるんじゃないでしょうか。
「いいではないか、ティナ殿なら安心して任せられる。それこそ、いろいろとな。」
「ありがとうございます、シルビア様!」
大騒ぎを終えたシルビア様が戻ってきた。
本人がそういうのなら別に構わないんですけども・・・。
「・・・ずるい。」
「え?」
「私も仕事辞めようかしら。」
「ちょっとメルクリアさん?」
今度は横で話しを聞いていたメルクリア女史が不穏な事を言い出したぞ。
何でこの人まで仕事をやめるんだよ。
今辞められると色々と面倒なんですけど?
「メルクリア様も良かったらどうですか?」
「そうしようかしら。でも、そうすると引継ぎが面倒なのよね。」
「こちらに業務を移すのはいかがですか?転移魔法をお持ちですから必要時は移動すれば済みますし。」
「それもそうね、別に本部に詰める必要が無いのよね。念話もあるんだから連絡は取れるもの。」
「あ、あの・・・?」
「決めたわ、私もここで働くから。」
何でそうなるの?
エミリア、エミリアは何処だ!
「フィフティーヌ様がここに来られるのですか?」
「シルビア様と同様に、エミリアが産休に入ったら代わりが居るわけでしょ?ティナさんが良くて私が駄目な理由は無いわよね?」
「もちろんです!また一緒に仕事が出来るなんて、夢みたいです!」
「そうは言っても色々と片付けないことがあるから今すぐにってワケには行かないけど・・・、そうと決まったらすぐに報告しなくちゃ!じゃあ行くわね!」
「はい!」
エミリアが嬉しそうに返事をする。
その返事に満足そうに頷くとメルクリア女史は黒い壁の向こうへと旅立ってしまった。
どうしてこうなった?
ティナさんとメルクリア女史がうちに来る?
何で?
訳がわからない。
今日は目標達成の報告日であって、こんなにイベントが起きる予定じゃなかったんですけど。
っていうか次の目標は?
そこ重要じゃないんですかね。
なんて事を思っていたら黒い壁が再び現れ、メルクリア女史が飛び出してきた。
「そうだ、次の目標なんだけど。」
まるで何かのついでのように発表される目標。
それは思っていたよりもかなり過酷なようで・・・。
どう考えてもついでで言う内容じゃないよね!?
精一杯駆け抜けたこの一年。
どうやら次の一年はもっと頑張らなければならないようだ。
でも大丈夫だろう。
俺は一人じゃないし、新しい仲間?も加わるし。
そしてなにより新しい家族が増える。
二人の子供が安心して生まれてこれるように。
またここからはじめよう。
「すみませ~ん、開店まだですか?」
外から声が聞こえてくる。
「しまった!営業時間だ!」
「エミリア、ニケさん準備お願いします!」
「はい!」
全員がバタバタと準備に取り掛かる。
大慌てでカウンターを整え、外向きの板を外して、入口の札を開店に変える。
外には定期便で来た冒険者が今か今かと待ちわびていた。
さぁ、新しい一年の始まりだ。
「ようこそシュリアン商店へ、今日は何をお求めですか?」
これにて本当に第十八章無事に終了です。
前話を書き上げた後、実はあまり納得できていませんでした。
それを感想でご指摘いただき、新たに書き直す決断が出来ました。
コレが本当の第十八章の最終話になります。
きっかけを下さり本当に有難う御座いました。
そして物語も暦が巡り、約束の日を迎えることになりました。
正直な所ここで終わらせてもいいかなと思ってはいるんです。
書き始めてもうすぐ三年。
たくさんの方に読んでいただきました。
本当にありがとうございました。
なんせ320万文字ですからね。
文庫本が1冊約10万文字らしいので32冊分でしょうか。
まさかこんなに書き続けることができるとは思いませんでした。
継続は力なりとはこのことですね。
これもお読みいただき感想や評価を下さる皆さんのおかげです。
番外編は書きましたが正直その先は未定です。
ですが楽しみだと仰ってくださる方もおり、その期待に応えたいと思う自分も居ます。
どういう形になるかはわかりませんが、考えてみようと思っています。
ひとまずこの辺で。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
また次回をよろしくお願いいたします。




