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新天地と仲間

 検問のため荷馬車で待機している。前の町では検問なんて一切行っていなかったがこの町では身分問わずず誰にでもやっているらしい。それはこの町が最も戦地と近いのでごくまれにだが魔族や魔物が侵入しそれを未然に防ぐために行っているのだとか。


 無論犯罪を犯しているわけではないのですんなりと入ることができた。


 積み荷の確認を終え俺の依頼は達成された。ルルフちゃん達との別れは寂しいが俺はこの町で新しい人生を歩むと決め全員と握手を終えたのちにこの町の冒険者ギルドに向かっていった。


 初めての町で迷ったが元居た町とは違いこの町の人々は見ず知らずの転移者にも普通に接してくれ無事冒険者ギルドに着くことができた。


 ギルドの建物は大きいがあまり賑わっていない。息を飲み静かにギルドの中に入っていく。

静かに入って行ったのにも関わらず多くの冒険者が幸也を見る。


 幸也は誰とも目を合わせないように前を見つめそそくさと受付に行く。

 

 受付に着きメイリーから渡された書類を受付嬢に提出する。


「依頼の報酬と冒険者の登録の手続きをしたいんですけど」


「サトウ様ですね話は聞いております。5分ほどお待ちください」


 突然肩を掴まれ咄嗟に剣を握ってしまう。


「待って待って、ストップストップ」


 後ろを振り返ると短髪で明るそうで背中に弓を担いでいるイケメン日本の男が焦っている。相手が日本人とわかると俊の顔がちらつきいっそ警戒を強め剣を強く握る。


「誰だお前」


「なんでただ話かけただけじゃん。日本人同士よろしくって言いに来ただけだよ、だから剣から手を放してくださいお願いします」


 幸也は周りの冒険者の視線に気づき冷静になり手から剣を話す。


「すまん嫌なことを思い出してついやってしまった」


「ホントいつ斬られるか怖かったよ。なぁ悪いと思ってるんだったらお試しでいいから俺らのパーティーに入ってくれ、もし合わなかったら抜けていいし、合うんだったら俺らは歓迎するからさ」


(パーティーかあまり乗らないな。一回しか組んだことないが嫌な記憶しかないそれに今は金が欲しい正直報酬を分けるのはこちらがキツい。……まぁお試しぐらいならいいか腐食の悪魔を倒すとき仲間がいるほうがいいのも事実だしな)


 幸也が答えようとした瞬間別の日本人が割って入って来た。


正人まさとお前また何も知らない日本人を勧誘してるのか」

 

 長髪で性格が悪そうな顔で腰に細長い剣を携えている男が幸也に話かけてきた男の肩に肘を乗せる。


「お前もこいつらのパーティーに入るのだけはやめときな。こいつのメンバーはなこいつ含めて全員日本人でそれなりに出来る奴らだがリーダが無能なのかいまだに中の下ぐらいの貧弱パーティーだからな」


「お前には関係ねぇだろ」

 

 肩の肘を払い少し悔しいそうな顔で追い払おうとする。すると手続きが終わり受付嬢がこちらにやってくる。


「サトウ ユキヤ様手続き完了いたしましたので依頼を受けることができます。ギルドのシステムはどこも同じなので気軽にご利用ください」


 二人にも佐藤幸也と聞こえ目を丸くしてこっちを見てくる。


「お前佐藤幸也だったのか。ならよ俺のパーティーに入れよ俺のパーティーはこの町一番なんだぜおまえならだれも文句は言わねぇしこっちとしても大歓迎だ」


「おい俺が先だぞ横入りしてんじゃねぇよ。幸也俺らのパーティーは全員日本人だからお前もなじみやすいと思うぜ」


(俺の噂どこまで広がってんだよ。 どうするか正直どっちでもいいんだよな、てかなんかどっちかのパーティーに入る流れになってるし!!基準はあれだよな)


「お前らレベルはいくつだ」


 長髪の男が先に声を上げる。

「俺のレベルは百二十八だぜ」


「お前は」


 諦めムードの短髪男は小さな声で答える

「六十八レべだ」


 幸也の答えは決まる。短髪男のほうに近づき肩を組む。

「これからよろしく」


 短髪男は自分が選ばれると思っていなく驚きそして喜んだ。


「ふざけんな!俺のほうがレベルが高いんだぞ。なんでそいつを選ぶんだよ」


「レベルが高いからだよ」


「意味わからないこと言ってんじゃねぇ。絶対後悔するからな俺のパーティーに入れろと言っても絶対に入れないぞわかったな」

プライドが傷ついたのか長髪男は激怒しながらどこかに歩いて行った。


 短髪男は感動し涙を流し幸也に抱き着く。

「俺を選んでくれて嬉しいぞ。心の友よーーーーー」


「そういうのいいから早くお前のパーティーメンバーに合わせろよ」

涙でべちょべちょの顔を服に着かないように頭を押さえている。


「そうだったな、ついてきてくれ」

 短髪男と幸也はギルドを出てお店に向かった。



 短髪男が一目がない場所に着いた途端に正方形に魔法陣が描かれた魔法アイテムを出す。幸也はやはりまだ信用していなく斬りかかる準備をする。


恵梨香えりかいつもの場所で待ってるすぐ来いよ新しい仲間ができた紹介したい」

 また謎の魔法アイテムに喋りかける。幸也は自分を殺すためにやっているわけではないと理解し剣をしまう。


(俺を殺そうとしたわけじゃないか。俺よりレベルが低いのは分かってるんだがまだ人を信じれん、俊の呪いかな)


剛力ごうりきいつもの場所に来い重要なことだからな。筋トレしたいからってさぼんなよ」

 謎の魔法アイテムは一瞬消えたように見えたがちゃんと手に持っている。


「よっしついてきてくれ今から行きつけの店に案内するからよ」


「なぁさっきの四角いのなんだよ?」


「あぁ、あれは電話見たいなもんだ。これに話かけるとマークがある場所に声を届けてくれるんだ。店の店主が言うには転送魔法と空間魔法を合わせて何かしてるって言ってたな、これで俺の仲間にすぐ来るように伝えといたんだ」


「すまん一瞬お前が俺を殺すのかと思ってしまった」


「え?殺す?俺そんなことしないよ。ねぇ幸也には俺がすぐ人を殺すサイコパスにでも見えてるの?」


「すまん正直そう見える」


 短髪男は地面に手を突きうなだれる。

「へへ俺ってヤバい見た目してたのか。たまに俺のこと見てコショコショ話してたのもそういう事だったのかなへへへ」


「違う、俺が日本人の男すべて人殺しに見えるだけだお前だけじゃない」


 短髪男は幸也をヤバい奴を見るような目で見る。

「え?え?頭大丈夫?  もしかしてやばい?パーティーに誘う人間違えちゃったかもしれない。どうしようこいつが剛力のこと見たら発狂して殺すかもしれない」


「訳は言えないが日本人に騙され痛い目にあってなそれからだ日本人全員が敵に見えてるんだ」

(訳は言ってやりたいがもし俺の能力と転移者の秘密が知られたらどうなるかわからん。俺は多分殺され続ける、それにこいつらも他の転移者も殺される可能性が出てくるこれは誰にも言えない)


「そうか騙されたのか、今すぐ信用しろとは言わない、だが幸也お前を必ず信用させてやる俺がお前の考え方を変えてやるよ期待してな」


 幸也は短髪男を見つめる。

「ありがとう、だがあまり期待はしてないから」


「ちょっと待てよ、そこは 期待してるって言うところでしょそんなに信用できませんか」


「だってお前評判悪そうなんだもん」


 短髪男は図星をつかれ下を向く。

「確かに俺の評判はあまりよくないよ。そもそも日本人の価値観と異世界人の価値観が合わないんだよ。それが嫌でパーティー抜けて新しい日本人だけのパーティー作ったら無能リーダーとか言われる始末。別にいいし価値観が合わない異世界人の評価なんて気にしてる方があほらしいは」


 不貞腐れ案内しながらもぶつぶつと異世界人の不満を吐露していた。




 

 不貞腐れながらも店に着き四人用のテーブル人座る。


「なぁ悪かったよ、期待してるからさ機嫌直してくれよ」


「やめろ慰めるな、今の俺に一番効くやつだから。分かってんだよ前のパーティーでも実力だけのダメ人間て言われてたしこの世界と俺の相性は最悪なんだーーー」

 机に顔を埋め泣きわめく。幸也はその後も地雷を踏みまくり手が付けられない状況になってしまう。


 そんな最悪の状況で救いの天使が舞い降りる。店の扉が開き鈴の音が鳴り音鳴る方を見る。そこには両手で杖を持ち学年のマドンナと言われてもおかしくないほどの美貌を持つ清楚系日本人女が店を見渡していた。一瞬だが幸也と目が合い女がすぐさま視界を逸らし駆け足でこちらに向かってくる。幸也の目の前の席に座り頭を少し下げ挨拶をする。


「正人あなたが私を呼び出したんでしょこの状況説明してください」

 正人は何も返事をしない。


「どうせ無能リーダーって言われたんでしょ、そんなのいつものことじゃないですか早く機嫌直してください」


「違う」


「何がですか?」


「こいつが俺の評判が悪いって、うぅー」


「私たちの評判が悪いのは事実でしょ。それにあなた私に言ったこと忘れたんですか?」

「異世界人の言ってることなんて気にすんな俺らとは違う生き物だと思えばいい」

「とかかっこつけて言ってましたよね。今更評判なんて気にしないでください」


「だって」


「だってじゃありません、私たちが成果を挙げられてないのも事実でしょ。仲間になってくれそうな人がいる前でそんな情けない姿を見せないでください」

 幸也の女の信頼度は上がり、正人の信頼度は地の底まで落ちた。


「幸也悪かった」

 手を差し出す。


「いや、俺の方こそ悪かった言ってはいけないことを言ってしまって」

 握手を交わし仲直りしたのだった。





 ––––少しの時間が経過した後剛力と呼ばれていたゴリラ見たいなハゲなマッチョ男が店に入って来た。

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