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魔境にて  作者: そら
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朋子の明日は 2

いずれ続きを番外編で書いていきたいと思います。

放置していてすいませんでした。

 ふふふ、ほほほ、私は今あの「へのへのもへじ」クンたちに訓練をほどこしている。


なあに、そんな難しい事はやってない。


ただ、個人として動かずいろ!それだけ。


この草原で、ちょっと生き物のサイズのおかしいここで500ペットボトルの大きさでしかないこの子たちは生きていけようか?


そう、正解!無理だったら無理だ。


全部で三十三体のこの子たち。


全然見分けのつかないこの子たち、本当にあの古代の埴輪の方がきっちり見えるし個性もある。


せめて「の」の字に変化があればよかったんだろうが、一切合財区別のない薄茶色のすっとんボディにちょこんと小さな手足があり、その顔と思われる場所には「へのへのもへじ」とおおざっっぱに描いてあるだけ。


それが私を仰ぎ見ながら簡単にすっころび、また立ち上がって足元にこようとする。


怖い!いつ踏み潰すかわからないこの子らの無秩序のわらわら寄り添い攻撃が怖い。


え?無表情がかわいいって?

 

言ったの誰だ、出て来い!


抜き足差し足がここんとこの私の定番。


食料探しにいくときも、後を追ってくるので、ここのとこは、みどりちゃん頼みだ、蔓の先に甘い汁を出してもらいそれをすすっている。


食料探しにいったら、この「へのへのもへじ」くん達、絶対途中遭難するだろうし私も無事連れて帰る自信がない。


戻す方法など命を宿した時点でないそうだ。


あの妖怪座敷わらしめ、あの姿のままでいるあいつが言っていた。


お前には手足ができて歩けるんだから、私に木の実をプリーズとお願いしたのに「いやじゃ、疲れる」これで終わり。


確かにみどりちゃんの甘いおいしいあの蜜を飲んでれば体的には問題ない。


が、しかし固形物がとれないというのは生き物として寂しい。


しろ達のそばにも今はいかないようにしている。


首長竜もどきたちとはお互い遠目で確認できる距離にいるから、何かあればすぐいける。


どうせ暇ならばと、三列になって動いてくれれば、踏み潰すこともなかろうと練習をさせようとするんだけれど、いかんせん私の言う事を聞こうとしてるようには見えるんだけれど、私をおとなしくじっと仰ぎ見てるので、頼んでいることがわかったのかと思いきや、すぐにわちゃわちゃそれぞれ勝手に寄ってくる。


はあ、お前らコミュニケーションとれなすぎ。


同じ生き物、同じときに生まれたのに自由人ばかりとは泣けてくる。


え?私もそうだったろうと?


種族の数が違うだろうよ、私と。


たったこれだけの数ともいえるこの子たち、こうさ、連携しようとか思わないのかな、周囲の脅威とはそれで戦おうとかさ、そんなかっこいいやつ。


「へのへのもへじ」に何を求めてるんだってそりゃ思うけどさ、万が一「へのへのもへじ」くんを踏み潰した人第一号には絶対なりたくないもん。



「ほらー、はい並んで、並んで!ちがーう、並ぶの、こうよ、こう!」


私が一生懸命やってると、最後のほうは結構大きな声を出していたみたい。


その声がかすかに聞こえた、元首長竜もどきベイビーズ、現在二階建て住宅なみのやんちゃたちが、何だ何だ?面白いのか?遊ぼうぜ!って感じに、しろを先頭にダダダダと走ってきた。


「ぎゃあ!あんた達きちゃダメ!ダメ~!!」


私は叫びながら、目前にあっという間に迫るしろたちを見ながら、必死に「へのへのもへじ」くんたちを、この腕にかきあつめた。


「ぎゃあ~」と私が叫び、しろたちも何?遊んでーと「ブァー」だの「ボー」だの声を出し、優しいみどりちゃんも蔦で「へのへのもへじ」くん達をすくいあげようとしてくれて、その騒ぎを見て座敷わらしのやつが「うるさいのう、何を騒いでおるのじゃ」と宙に浮かびほよほよしてて、その一人余裕ぶりに私が切れてやつに怒鳴れば、腕のすみに何とか必死にかかえた一人がポトンと落っこちて「いやー!」と絶叫する私にしろがそれ面白いのかと、その長い首でほかの子も振り落とそうとして、カオスの状態がそのまま続いた。


何とか無事に「へのへのもへじ」くんたちを死守した私は、あの地球でのいじめやネグレクトなど、今思えばすばらしき穏やかな日々を思い浮かべため息をついた。


私の明日はどうなるんだろう?


















 



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