#41
あまりにも真剣に見ているので、暇~と作りかけを完成させるべく磨く。
キュッキュッと磨いていると、視線が集まっているのに気がついた。首を傾けると「いい歌ですね」と雪さんに誉められた。歌ってた?隣の隼人君に聞いてみたら歌ってましたよ。調子がいいんですねと返答が、ストラップを見ると余計な物が付いている。
ムー。失敗した。なんで、効果つくかな。つけようと思ってないのに。これだと売れないじゃん。少しへこみながら完成させて小箱にしまう。
「今のが?」夫人が驚いた顔をしてある。
「無意識見たいですけどね。効果が複数あるみたいですね」勝手に説明をしている隼人君。間違ってないけどさ~。なんかね。わかってくれて嬉しいけどさ…
「気にしない方が良いですよ」慰めてくれる雪さん。小箱には、こうやって無意識で作った小物達が入っている。売れないけど、ばらせない物が…
「見せて!!」そういうなり小箱を奪い取るように手元に持っていった。箱を開けようとしているが、無理だろう。知らない人が間違って開けないように鍵をつけているから。一見なにもしていない様に見えるけど、ルールを知らないと開けれない鍵が。
「開かない」諦めたかと思ったけど違うようで、キラキラといいかギラギラと言った感じたで、見てくる。
「開けた方がいいのかな?」
「いいと思いますよ」と隼人君。頷く雪さん。仕方がない。これで、納得してくれたらいいな~
「開けますけど、騒がないでくださいね」そうお願いして、蓋を開ける。別に難しいものではないし。
箱の中には仕切りが幾つかあり、分類分けをしている。一番下には、体力回復剤とかも小瓶に入れている。
期待しているのか、中をみてちょっとガッカリ見たいな顔をしていますが、そんなんで良いの?
髪止めを1つ取り出してじろじろみている。今持ってんのって、確か銃撃戦でも一回なら身代わりになってくれるよ的な感じになっちゃったやつだな。銃撃戦ように作ったんだけど、使い勝手悪そうでお蔵入りしたやつだ。色々と傭兵達用のを試作したんだっけ?体力回復剤もそのうちの1つだし。今は、私の栄養ドリンク扱いだけど。改良したら使えるかな?などと考えていたのが悪かったのか、おばさんがガシッと手をつかんできた。
「あなた、これを公開する気は」
「ないです。その箱に入れている物は全てお蔵入りのものばかり。改良したりするために入っているんですよ」
「だけど」
「どんなに現時点で、凄いものでも“私”基準でダメなら売りません。隼人君。ありがとね。現時点では、家の小物たちは影響が強すぎる。売れないわ。今度から自粛する」
「わかって貰えて幸いです。が、今後問題に為ったら困りますので、数点。害の無さそうな物を売りませんか?無論、匿名で。売上は、途上国にでも寄付すればいいんですよ。こんなものが、出来るんだ。的な感じで」と提案が、匿名でも物が在れば、真似て進歩できる機会が増えるし、それで良いものを使用出来れば売りやすくなるか…
「許可する。私にたどり着かない様に細工して」
「ご理解ありがとうございます。では」今の技術でも行けそうな物を数点。隼人君が手にしている。どんな風にするのか疑問に思うも、そこら辺は、隼人君を信頼して任せる。
「と言うことなんで、義母さん・義父さんこの事は内密に。他言した場合は、私の全力を持って対処しますので」そう発言する隼人君に面食らっているおじさん達。
「親を脅すな。いい関係を構築しないと大変よ」めっとすると柔らかに微笑む隼人君。何がそんなに嬉しいのかな~
「よかったですね。隼人君。心配してもらって」私の疑問を解決してくれたのは、雪さんの一言だった。
「そんなに引きずるものなの?」
「私達は、そうでもないですよ。大切なのには代わり有りませんが。でも、隼人と杏華は違います。あのときの想いをそのまま抱いて生まれてきていますから」あのときの想いか―
だよね。私も、前の記憶は情報としてあるし“大切”だと思うけど、今の生活も“大切”だしな。会いたいと思うけど、前ほど切には思わない。会えたらいいな的な感じだし
「それでも。私は、あなた方“大切”です。あんな想いもうしたくないですし」と苦笑いしている「あんな想い?」
「ええ。もっとああすれば良かったと言う思いですね」
「なんで?いつも大切にしてくれたじゃない。幸せな人生だったよ」
「それでも、もっと生きて欲しかった」涙ぐみながら両手で握りしめてくる。どんなに後悔したのか伝わってくる。例えそれが、寿命でも。もっと。もっと。一緒に居たかったと
仕方がないな~家の執事長は。いつも何でもない様にしているくせに、甘えたさんなんだから。わしわしと荒い手つきで頭を撫でてあげる。
「大丈夫。まだまだ死なないよ。姉ちゃん達を看取って。親を看取ってシワシワのおばあちゃんになってからだよ」そう語りかける。「そうですね。頑張って長生き出来るようにしましょうね」と付していた頭を上げて笑ってくれた。
うん。笑顔は一番だよね~
「じゃあ、先ずは退院して生活に戻らないと。隼人君は、学校にいって夢を叶えないとね。側にいなくても、応援するよ」
「絶対に執事長に返り咲きますから」男前の顔になってますが、要りません
「一般人には、執事は要りません」
「将来的にそういえますかね」とニヤリッと笑ってますが…
私の性格から見るとなんとも言えないな。頑張ろう
そんな話をしていると私の母親が入ってきた。そう言えば、来るっていってたな。
「あら。春ちゃん。違う部屋でお話しましょうか」そう言われたので、箱をしまい雪さんに手を振り母親の元へ。
病院のロビーにて今後の話をすることに。
「春ちゃん。お母さんは今回の事でちょっと考えたんだけど。もう一度、私達と暮らさない?」
「いや。ずーっとあそこで暮らして来たから、お母さん達の家は落ち着かない」
「でも」困った顔をしている。
「どうしてもって言われても、いや。あそこが一番落ち着くの。ダメなら、援助してくれなくても良いよ。自分の稼ぎで何とかするし」そう言うと本当に困った顔をしている。本当はこんな顔をして欲しくないんだけど…
「春ちゃん何でダメなの」
「何でって…」
何であの場所に執着するんだろ。自分。実家だけど、別に…あぁそうかぁ。そうだよね。
「私ね、お母さん。あそこから見える風景が今も、昔も大好きで、ダメになりそうな時は思い出していたの。だから、あそこから離れたくないんだ。母さんの家だからとかじゃないんだよ。あそこが大好きだから居たいんだよね」自分の気持ちをきちんと認識したのははじめてだ。




