#39
入院して数週間。体力もついてきた。十代の回復力はバカにならない。はじめの時は、リハビリすると直ぐに疲れて締まったが最近はリハビリ後、宿題とかも出来るように為った。検査結果は、健康と出た。だろうな~と思いながら日常生活が出来るように頑張っています。
頑張りすぎて力尽きる時も有るので、無理しちゃダメだよ~と看護婦さんに釘を刺されたりしています。
「起きてる?」そう病室に顔を出したのは遠矢。今日は珍しく違う人も一緒だ。部活をしている遠矢君。週末は良く顔を出して色んな話をしたり宿題を一緒にしている。同世代の子は苦手だけど、遠矢君は慣れているし隼人君には、いい話し相手になってくれているので、大歓迎である。
「あれ?隼人は?」と聞きながらベッドの側に座る。
「あぁ。検査だって」そう答え宿題から顔を上げる。
「どっか悪いの?」心配そうに聞いてくる。
「いや。一応だって。そろそろ退院だしね」そう言うと
「じゃ。春も?」
「わからん。ある程度、自分で出来るようになったけど、家に帰れるかな~」
「あ。おばさん達がか。兄ちゃんいるから大丈夫だと思うけど」
「心配なんだと思いよ」そう話していると
「ただいま~」と看護婦さんが茶化しながら入ってくる。苦笑いしている隼人君。
「遠矢。来てたんだ。で、入口にいるのは?」
「知らない~」
「クラスメート?」
「なんで疑問文。まあ、いい。ありがとうございます」そう看護婦さんに言って車椅子を降りている。
「もうすぐご飯だよ」とテーブルを見てくる。あ~と宿題を片付け始める
「もうすぐ退院なんだ。おめでとう」
「有難う。学校どうするとか煩くてな」
「いや。普通だろ。でどうするの」そう3人で話ながらテーブルに移動する。
はじめの内別々の部屋だったんだが、度々部屋からいなくなる隼人君のせいで、同室になりました。隼人君の養父母は、橘兄貴の時代に知り合いになった人だと言うことで、なんと無くこちらの事情を知っている。養父母も、執事だったりする…「あそこの人たちは、良いの?」と入口に居る人たちの事を聞いておく。だって気になるじゃない。
「知らない。何で付いて来たか分かんない」
「部活の友達とかじゃなくて?」
「じゃないのよ。部活の奴等はわかっているから」そういえば以前つれてきていたな~
「飯田君だっけ?」
「あぁ。彼か。元気。勉強が~とか言ってだろ?もう少しでテストだろ?」
「あぁ。そう言えば、勉強会!!とか言ってたけど、大丈夫?」
「私は大丈夫」答えた後に隼人君を見ると頷く。
「なら、来週からテストまでの週末やるか」
「どのくらい進んでいるの?」
「ちょっと見せて」と片付けたノートを見ている遠矢君。良いよ~と答えながら入口付近を見る。
「で、何かご用なのかな?君たちとはクラスも違うし、遠矢君の友達でも無いのでしょう?」聞いてみる。女性が多いな~と改めてみると、苦労性の男子1人に2人の女性。遠矢君の事好きなのかな~
「私達は…」
「私に用事はないんだよね?目的は遠矢君?」そう聞くと顔を真っ赤にしている。分かりやすい
「ならそれは遠矢君に直接お願いしていい?私に用事がないなら帰って」
「な。なんなのあんたは!!」と言い出す勝気そうな子。
「なんなの?って、ここに入院している患者で遠矢君の親戚。私をお見舞いに来てくれたんじゃないんでしょ?」
「春。いじめんな。でも、正論だな」と入ってきた要田さん。
「見舞いじゃないなら帰ってね」と帰宅を進めている。だってね。どうする?どうする?と話し合いをしているが、だから言っただろと突っ込みがはいっている。
「ドクターなんのようだ?」とちょっと偉そうな隼人君。
「なんか偉そうだな。隼人の癖に」と笑いながら話している。男の子はわからん。
「退院についてな。二人ともご両親が来るからね」
「もうすぐ退院か。出来るようになってきたしね」
「元々、リハビリ入院なんて短いからな」と法律の事を言っている。
「親御さんに希望をちゃんと伝えろよ」そう言い戻っていく。
その後直ぐにご飯が来たので、食べながら遠矢君の学校生活を聞いてみる。
「で?学校たのしい?」
ちょっと困った顔で「楽しいって言ったら楽しいけど、めんどくさい。部活やったり友達と遊んだり勿論勉強もみんなで集まってやるのは。でもさ、なんと無く煩いな~って思うんだよ」
「何が?」二人で聞くと
「小学校からの持ち上がり組とか友達とかのグループ?って言うのがな。誰と仲良くなろうと関係ないだろうが!!って思うんだよ。特に女性が。誰々と付き合ったとかどーでもいいんだよ」とお疲れの様子。
「な。何言ってるの。遠矢君」とまだ帰っていなかった人たち。
「まだ居たんだ」
「あんたは!!」と怒鳴ってきた。こわっと肩をすくめて居ると傍観していた隼人君が「これが、ストーカー?」と聞いている。
「違うと思うけど。近いよ。気を付けてね隼人君。君も見た目良いから」と忠告しておく。
「俺は、大丈夫。他の事には興味無いし」と言い切るが、ダメだぞ~
「周りをみて、学んで、それでもならいいけど、盲信は止めて。そんなの嬉しくない」そう伝えると、解っているからとあしらわれた。
「何いってるか分かんない。けど!!」と主張をし始めた彼女。だから何?煩いと言う顔の遠矢君を見て。何時もなんだとかわいそうになる。
「お疲れさまなんだ。家でユックリする?」
「はぁ~。兄ちゃんの片付け手伝いながらそうする。本当に毎日煩い」
「なんで、好きなこと伝えているだけじゃない」
「隼人君。訂正。あれがストーカーだよ。周りを見れない。迷惑をわかっていない。最後には…」
「恐ろしいな」と遠矢君を慰めている隼人君。
「な。あんたたち失礼よ。私はただ」
「お帰りください。出口は後ろ。あんまりしつこいなら大人を呼ぶよ」とナースコールを見せるが良くわかってないなこりゃ~
ナースコールを押すと「どうしました?」の声。
「知らない人が来て帰ってくれないんですけど~」と言うと「いまい来ます」と切られる。
「看護婦さんを呼んだよ。どうするの?」と言っても動かない。後ろの男の子は帰ろうと言っているが、無視されている。
「どうしました?」と看護婦さんが到着。ことの次第を説明すると「あなた達直ぐに帰りなさい」と叱り部屋から出してくれる。看護婦さんに感謝して序にご飯を下げてもらう。
さて、親が来るまでど~する?と話しているとドアがノックされた。
「面会謝絶ってどうしたんだ?」と入ってきたのは、スーツ姿のナイスミドル。
「ああ。貴方ですか」と隼人君。このナイスミドルが養父だったりする。
「さっき、失礼な客が来ましてね」
「話し合いなら外れるよ」と言い出すと首を振られる。
「ここにいてください。春佳。あなたの事もあるんですから」と言われたが、何だろう?
じゃ。俺帰るから~と言って出ていく遠矢君。ちょっと待って貰い聖夜さんに連絡して迎えに来てもらう。
「なんか有ったら嫌だから」と聖夜さんが来るまで待って貰う




